山本昌氏 野球殿堂入り 星野氏、アイク氏に捧ぐ栄誉「たくさんの人に支えられた」

 野球殿堂博物館の表彰委員会は14日、今年の野球殿堂入りを発表した。競技者表彰のプレーヤー表彰では日米通算313セーブ(日本で歴代2位の286セーブ)を記録した現ヤクルト監督の高津臣吾氏(53)、中日で史上最年長勝利を含む通算219勝を挙げた山本昌氏(56)を選出。特別表彰では東海大の創設者で首都大学リーグを設立した故松前重義氏が選ばれた。

 輝かしい記録も、球界最高の栄誉も、1人の力では成し得ない。山本氏は「たくさんの方に支えられた野球人生だった。恩師、友人、先輩や後輩、誰1人欠けても、ここまで来られなかった」と、周囲への感謝を語った。

 忘れることのない恩人の1人が、故アイク生原氏。88年の米国野球留学では「野球を辞めて帰ろうと思った」と悩む山本氏へ熱心な指導を行い、代名詞となるスクリューの習得のきっかけを作った。

 そして野球留学へ送り出したのが、もう1人の恩人・中日監督時代の故星野仙一氏だ。プロ入りから芽の出ない左腕を闘将の一言が変えた。「俺は怒るけど、使うぞ」。打ち込まれては怒られる日々。それでも闘将は山本氏を起用し続けた。「次も使ってもらえるから頑張ろう」。山本氏は期待に応えるべく必死に自身を磨いた。

 「現役時代はほめられたことがなかった」と100勝、200勝…節目の勝利を報告しても称賛の言葉はない。だが、引退報告の電話で「よく頑張ったな」と初めてねぎらいの言葉を受けると、涙が止まらなかった。

 恩師らと同じ殿堂入りを「うれしい」としながら「やっぱり自分の口で報告したかった」と故人をしのんだ。

 星野氏に託された思いがある。「ここまで野球に世話になったのだから、最後まで野球に貢献しろ」。不遇の時代を努力で乗り越え、中年の星として史上初の50歳での登板も果たした。だからこそ伝えられることがある。「野球にもっと貢献していきたい」と山本氏。野球への恩返しは、まだここからだ。

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