星稜 3年生が引退試合 夏の大会はコロナで辞退 ヤクルト・奥川からもメッセージ

九回の攻撃の前に円陣の中心で鼓舞する林監督(右)と笑顔の3年生
 試合後に父兄にあいさつをする3年生
試合後の整列で下級生にエールを送る3年生
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 部員の新型コロナウイルス感染のため7月の石川大会を辞退した星稜は14日、来春での退任が決まっている林和成監督(46)ら指導者の発案により、同校グラウンドで3年生の引退試合を開催。試合は3年生対1、2年生で行われ、3年生が3-4で敗れたものの来春センバツを当確させている下級生の主軸を相手に善戦した。不完全燃焼で最後の夏を終えた3年生は、高校野球に区切りを付ける試合となった。

 試合後、元主将の中田達也外野手(3年)は「今までで一番楽しかった試合でした。スッキリしました」と晴れやかな表情。27人の3年生全員が、すがすがしい顔で高校野球生活に別れを告げた。

 今夏の石川大会準決勝の前日。室内練習場に呼び出されたナインは、部員の新型コロナウイルス感染による大会辞退の決定を報告された。4月の石川県招待試合で今夏の甲子園Vの智弁和歌山にも勝利し、本気で日本一を目指していたナイン。蒸し暑い室内で、やりきれない涙が止まらなかった。

 もどかしい思いをようやく振り切れた。試合後には2つ上の先輩でヤクルトの奥川恭伸投手からメッセージが寄せられた。「今年は長く続く新型コロナウイルスの影響により、大変悔しい思いをされたのではないかと思います。しかし、挫折した後には必ず得るものがあると僕はいつも思っています。今年の夏の石川県大会、画面越しではありますが、楽しく観戦させてもらいました。3年生がとてもたくましく見えましたし、チーム全員が一丸となって戦う姿に勇気をもらいました。もっと自分も頑張らないと、と思わされました。話は変わりますが、ここにいる仲間をずっと大切にしてください。僕は今でも高校の仲間に悩みを聞いてもらったり、ふざけた話をしたりしています。卒業後もみんな仲良く、そんな関係であって欲しいと思います」と3年生にエールが送られた。その他にも、巨人・山瀬慎之助捕手、ヤクルト・内山壮真捕手からのメッセージも指揮官が代読。3年生は、目を輝かせながら話を聞いた。

 指揮官も「お前たちがやってきたことは間違いじゃないし、これもお前たちの人生だ。今年の夏に経験した以上のことが訪れるだろうし、それを自分たちで切り開いていってほしい」と熱い言葉を贈った。「1回挫折を味わっているので、挫折があったからという人生にしていきたい」と無念の夏を糧にした元主将。無念の夏はようやく晴れた。

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