鳥谷敬 誰よりも努力していたみんなのヒーロー

 今季限りでの現役引退を表明していたロッテ・鳥谷敬内野手(40)が3日、ZOZOマリンスタジアムで引退会見に臨んだ。阪神で16年、ロッテで2年と計18年の現役生活を振り返り、「心残りはもうない。すっきりして終わります」と完全燃焼したことを告白した。通算2099安打、歴代2位の1939試合連続出場など、輝かしい数字を残したレジェンドはさわやかな表情で現役生活に別れを告げた。

  ◇  ◇

 マスクでいつも以上に顔を隠し、静かに涙を流した。最後の姿が見たいと願って出席した引退会見。プロ18年間で、私が鳥谷担当をできたのはわずか1年だったが、それでもかけがえのない時間だった。

 どうしても聞きたいことがあった。これまで何度も聞いた「野球は仕事。楽しいと思ったことはない」の言葉。幸せだった瞬間はあるのか-と。鳥谷は意地悪そうに「毎年シーズンが終わった日が一番幸せですね」と笑い、言葉を続けた。

 「2000安打を打った時は、周りの人が自分のことのように喜んでくれた。そこがプロ野球選手としてやってきてよかったなと思えた瞬間ですね」

 10月31日に引退を発表。すぐさま携帯を握り、迷うことなく発信ボタンを押した。枯れるまで泣くと、その先で鳥谷が笑っていた。「たった1年でしょ。でも、ありがとうっていい言葉だよね。こちらこそ、ありがとう」。誰もが憧れ、夢を抱いたスーパー遊撃手。その裏で誰よりも努力していた。その姿を絶対に忘れない。(17~19年阪神担当・デイリースポーツ・松井美里)

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