ヤクルト青木「野球小僧」雄平へ“はなむけ”弾 ダメ押し一撃で首位固め3連勝

 「広島1-4ヤクルト」(3日、マツダスタジアム)

 仲間の喜ぶ姿に、ヤクルト・青木宣親外野手(39)も笑顔で応えた。一振りで決めたダメ押し弾。「前半戦に比べれば、今の状態はいいと思います」。勝負の10月に突入し、頼れるベテランの状態はさらに上向き。3連勝で首位をがっちりキープだ。

 2点リードの九回。2死から打席に入り、2球続いたカーブに対してバットを振り抜いた。「とにかく塁に出ることを考えて、いけると思ったのでいきました」。手応え十分の7号ソロで、勝利を決定的にした。

 共に汗を流してきた“友”が、ユニホームを脱ぐ決断を下した。9月29日に雄平が現役引退を発表。青木は「電話もちょっとしましたけど、同世代で頑張ってきた。ましてやチームメートなので、すごく寂しいです」と思いを寄せる。

 2歳年下の後輩とは、同じ左打者で外野手。共に過ごす時間が自然と増え、昨季はバットを借りることもあった。青木は雄平のことを「野球小僧」と表現。これまでの日々を「よく打撃のことを、僕に聞いてきてくれてね」とうれしそうに明かした。

 仲間のために、自分自身のために成し遂げたい夢がある。「どんな状況でも諦めないでやり続けること。それが1番大切だと思います」。目指すはチーム6年ぶりの頂点であり、自身の“初優勝”。託された後輩の思い。戦う理由が、また一つ増えた。

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