広島新庄「百戦錬磨」掲げ、3季連続の甲子園出場目指す 秋季県大会は18日開幕

好投を誓うダブル左腕の奥野谷(左)と中村
3季連続の甲子園出場を目指す広島新庄ナイン
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 高校野球の秋季広島県大会が18日に開幕する。地区予選を勝ち抜いた32校が出場。今年、春夏連続で甲子園に出場した広島新庄は19日の1回戦で広島商と対戦する。今夏の甲子園では1回戦でショッキングなサヨナラ負けを喫したが、新チームは「百戦錬磨」のスローガンを掲げて新たなスタートを切った。目指すは3季連続となる甲子園出場。伝統である守り勝つ野球を体現し、一戦必勝で来春のセンバツ切符をつかみ取る。

   ◇  ◇

 夏の激戦から1カ月がたち、北広島町のグラウンドには選手たちの元気な声が響いていた。新チームで迎える新たなスタート。秋季県大会を直前に控えた宇多村聡監督(34)は「センバツ出場が目標。非常に楽しみです」と心を躍らせた。

 夏の悔しさが原動力となる。今夏の甲子園では春夏通じて5度の全国優勝を誇る名門・横浜と対戦。先制点を奪い、強力打線を八回まで無得点に抑えたが、九回2死からまさかの逆転サヨナラ3ランを浴び、1回戦で姿を消した。「選手はよくやってくれた。負けたのは私の責任です」と指揮官は悔しさを募らせる。しかし、その一方で収穫もあった。好プレーもあり、無失策の堅い守りを全国の舞台で見せた。「地方大会でやってきたことを発揮できたのは良かった」と語った。

 3季連続となる聖地を目指すためにも、まずは県大会で上位3校に入り、秋季中国大会(10月22~31日・山口)への出場権を得ることが絶対条件だ。夏の甲子園のベンチ入りは1年生の河野優輝内野手以外は全て3年生だった。主力が引退し、大舞台での経験が少ないメンバー構成で公式戦に臨むだけに、激戦を勝ち抜いていくにはチームの団結が必要不可欠だ。

 守りの中心となるのは奥野谷栄須投手(2年)と中村太人投手(2年)のダブル左腕。宇多村監督は「ともに制球が安定しているところがいい」とゲームメーク力が持ち味だ。

 奥野谷は愛媛県出身。130キロ台の直球を軸に変化球も多彩。チェンジアップを得意球にしており、「空振りを取れるような投球をしていきたい。優勝して甲子園に行きたいです」と腕をまくる。

 中村は大阪府出身。広島新庄OBで日本ハムの堀投手に憧れて同校の門をたたいた。カーブなどの緩急が武器である左腕は「制球には自信がある。守り勝てるようにしていきたい」と意気込んだ。互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら、レベルアップを図り、左腕王国を築き上げる。 新チームのスローガンは「百戦錬磨」だ。「視野が広くて気が配れる」と監督が絶大な信頼を寄せる主将の金沢涼称内野手(2年)が中心となってコーチらとも相談して決めたという。「僕たちのレベルは高くない。自分たちはすぐに諦めてしまうところがあるので、どんな試合でも粘り強く戦えるように」と理由を明かしたキャプテン。一戦ごとに経験を積みながら一人一人の技術をしっかりと磨いていくことをチームの約束事にした。

 初戦はいきなり宇多村監督の母校でもある広島商と激突する。「3年生が甲子園に出たことが今の選手たちの刺激になっている。普段通りの力を発揮してほしい」と指揮官。来春のセンバツ切符を目指し、チーム一丸となって戦い抜く。(デイリースポーツ・赤尾慶太)

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