西武・栗山 懐中電灯の明かりでスタートした2000安打への道
「楽天8-5西武」(4日、楽天生命パーク宮城)
西武の栗山巧外野手(38)が4日、楽天生命パークでの楽天17回戦の九回に左前打を放ち、史上54人目の通算2000安打を達成した。西武の生え抜き選手では初の快挙。区切りのプロ20年目で大台に到達したベテランは、積み重ねてきた一本一本の安打をかみしめた。
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律義な男だ。西武・栗山はプロ入りしてからオフの契約更改を終えると必ず携帯電話を握る。「今年も契約してもらえました」-。父・忠人さんが「野球の父」という故郷神戸の小寺少年団野球部顧問・牧野栄一さん(79)への“定例”報告だ。
小学3年になったころから毎日行ってきたティー打撃の「自主練」。サラリーマンだった牧野さんが帰宅するのを待って自宅近くの公園で行われた。日が暮れると懐中電灯の明かりを頼りにバットを振った。「乾電池がいくらあっても足らなかった」と恩師は懐かしむ。「自主練」は場所を小学校のグラウンドに移し、明かりを車のヘッドライトに変え中学卒業まで続いた。
元来右利きの栗山は、両打ちに挑戦していたが、小学5年で左打者専念を決意。牧野さんが冬休みの特訓を提案すると「お正月もやります」と無休を宣言した。
プロ入り後も年末年始には小学校のグラウンドでバットを振った。サッカーゴールにネットを張った手作り感満載の練習場。「一年の計は元旦にあり」と、1軍定着後も正月から1000球を超える数を打ち込んだ。
3年前に胃がんを患った牧野さんは「レギュラーとして2000安打を達成したことがうれしい」と、テレビに映る教え子の雄姿に目頭を熱くしていた。(デイリースポーツ運動担当部長・岩本 隆)
