智弁学園・小畠 完投&V3ラン 兄弟校“智弁対決”制して悲願の夏初制覇目指す

 「全国高校野球選手権・準決勝、智弁学園3-1京都国際」(28日、甲子園球場)

 準決勝2試合が行われ、智弁学園(奈良)と智弁和歌山が決勝に進んだ。夏は史上初の兄弟校対決となり、夏の初制覇を目指す智弁学園は、小畠一心投手(3年)が決勝3ランに完投勝利の独り舞台で初の決勝進出を決めた。2000年以来21年ぶり3度目の優勝を目指す智弁和歌山はエース・中西聖輝投手(3年)が10奪三振で1失点完投。

 智弁学園の“右のエース”は俺だ。「前回の反省を生かして最少失点に抑えられた。今日は良かったと思う」。1失点完投&劇的V弾で初の決勝に導いた背番号「10」の小畠が、涼しげな表情で甲子園のマウンドに仁王立ちした。

 完投した3回戦・日本航空戦では初回に失点したが、この日は三者凡退で切り抜けると、四回まで1安打投球を披露。五回こそ犠飛で1点を失ったが、威力ある直球と多彩な変化球でその後は二塁すら踏ませなかった。

 最大の見せ場は四回だ。京都国際の先発・平野を攻略できず0-0のまま迎えた2死一、二塁で、打者・小畠がフルスイングした打球は浜風に乗ってぐんぐんと伸び、左翼席に着弾した。「みんな期待してなかったと思うし、自分でもまさか越えるとは…」と驚きを隠せない3ランで試合を決めた。

 背番号1をつける西村とは入学時からライバル。互いに「自分がエースに」という思いで競い合ってきたが、最後の夏も小畠は「10」だった。それでも、奈良大会後に「背番号で野球してるわけじゃない。甲子園は2人で投げないと勝てないので」と言い切った右腕。2番手じゃない、俺もエースだ、というプライドが今大会での力投につながっている。

 小坂監督も「西村と小畠でこのチームを引っ張ってきてくれた。決勝も2人に振り絞ってもらう」とダブルエースに最後の勝負を託すつもりだ。兄弟校対決に右腕は「ユニホームが似ているので、どっちか分からないと思いますが、負けるわけにはいかない」。悲願の夏制覇へ、もう頂点しか見えていない。

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