負けを覚悟もイレギュラー 高松商が九回の大逆転劇で決勝へ「うそみたいな試合」

 「高校野球香川大会・準決勝、高松商11-8大手前高松」(23日、レクザムスタジアム)

 最終回、4点差をひっくり返す大逆転劇で高松商が決勝進出を決めた。

 悔し涙がうれし涙に変わった。4-8で迎えた九回表、先頭が中飛に倒れ、選手たちがベンチで目を赤くする中、大逆襲が始まった。3連打で1点を返し、なおも1死一、二塁。向井万旺内野手(3年)の放った打球はショート正面。併殺で試合終了…。誰もがそう思ったが、打球はイレギュラーバウンドで大きくはね、センターへ抜けていった。

 2点差とし、まだ終わらない。2死後に四球でつないで満塁とし、2年生にして高校通算33本塁打を放っている浅野翔吾外野手が左前へ同点の2点適時打。先輩や同級生の「翔吾に回せ!」という言葉に気持ちを奮い立たせた。

 最後のヒーローは5番・藤井陸斗外野手(3年)だ。2死満塁から「同点になったので気は楽になった」と、高めの直球を左中間最深部へ打球を運んだ。「自分じゃないみたいです」。試合後、藤井は喜びと戸惑いの混ざり合った表情で語った。

 7失策と守備は乱れ8失点。スタンドで応援した控え部員は「7つもエラーしてなんで勝ってるんだよ」ともらし、長尾健司監督(51)も「ウソみたいな試合」と驚きとともに振り返った。

 試合直後、ベンチ裏では止まらぬおえつとともにうれし涙を流した選手もいた。決勝の相手は春の県王者・英明。藤井は「しんどいと思うけど、チーム一丸で優勝したい」と、勝利を誓った。

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