「巨人３－１中日」（７日、東京ドーム）

　巨人が３安打で勝ち、拙攻続きの中日が福留の一発に抑えられて負けた。デイリースポーツウェブ評論家の高代延博氏は「中日の中堅、若手には覇気が感じられない。福留や大野雄の気迫を見習ってほしい」と注文をつけた。

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　巨人は前半に飛び出した岡本和のソロと丸の２ランによる３点で、この試合をものにした。五回以降は無安打だったけどね。

　先発した山口は逆球が目立ち、甘い球も多かった。何度もピンチを作ったが、七回途中で降板するまで福留に浴びたソロ本塁打による１失点のみ。相手打線に助けられた感じだったね。

　中日は４番のビシエドがチャンスで打てなかったのもあるが、全体的に元気がない。特に高橋周ですよ。

　打順を５番から６番に下げられて臨んだこの試合でも前日同様、無安打。八回一死一、二塁では遊ゴロ併殺打に倒れ、反撃ムードがしぼんでしまった。

　おそらくベンチは、打線の発奮材料にと考えてベテランの福留を先発で起用し、５番に入れた。“高橋周平しっかりしろ！”の思いが込められていたはずだ。

　しかし、発奮したのは福留本人だったね。八回には粘った末に９球目を選んで出塁。気迫のこもった四球でしたよ。

　この３連戦の初戦で逆転勝ち。いい流れで迎えた２戦目だったはずなのに、なぜか中日に勢いは感じられなかった。

　前夜は大野雄が気迫の投球を見せた。野手に何度も足を引っ張られながらも耐え抜き、チームをメンタルで引っ張っていった。

　あいにくマウンドを降りたあとの逆転だったため本人に勝ちはつかなかったが、文句なしの殊勲者だ。

　そんな劇的な勝利を収めたのに一夜明けると、中日打線からは覇気がまるで伝わってこない。

　それが低迷するチームの悲しさなのだろうが、キャプテンでもある高橋周には、先頭切って元気を出してもらいたいね。

　中日には経験こそ浅いが、素質のある選手が数多くいると思っている。

　前日の試合では二塁手として先発出場していた溝脇が３三振、失策もあってこの試合はベンチに下がっていたね。いい選手なのだが、今の中日には我慢して使い続ける余裕はないのかもしれない。

　巨人は梶谷を１番に戻し、ベストなオーダーに近づいてきている。岡本和は配球を読むのがうまくなっているし、丸は本調子を取り戻してきた。首位を射程圏に納めているチームには勢いを感じる。

　一方、地味でひ弱な感じがする中日打線だけど、福留や大野雄が見せたあの気迫を、中堅や若い選手は見習ってほしいと思う。

　巨人とは対戦成績でほぼ互角なのだから、頑張りようでは、まだまだ上昇する余地はあると思うんだけどね。