「楽天１－９阪神」（１２日、楽天生命パーク宮城）

　歴戦の右腕も虎の怪物新人に脱帽した。「特に投げミスではなくて、あれはうまく打たれました」。佐藤輝に痛恨の一発を被弾した楽天の先発・田中将が、７回５安打３失点で今季４敗目。これで本拠地・楽天生命パークでの黒星は２０１２年７月２９日の西武戦以来、３２４０日ぶりとなった。

　決して甘いボールではなかった。六回２死で迎えた佐藤輝に対し、追い込んでからの内角に食い込むスライダーを右翼席まで運ばれた。四回にも大山に先制２ランを浴び、猛虎の一発攻勢に沈んだが、両球とも厳しいコースに攻めた結果。「全体的には良かった」と投球内容を淡々と振り返った。

　それでも佐藤輝と対峙（たいじ）して得た感想を問われると「もちろん持った印象はあるが、それを言うことによって相手側にも伝わる。言わないでおきます」とピシャリ。並の新人ではない－。そう感じた田中将が、負けん気をかいま見せた瞬間だった。