「巨人２－４日本ハム」（６日、東京ドーム）

　期待のルーキーが、チームを８カードぶりの勝ち越しに導いた。日本ハムのドラフト１位・伊藤（苫小牧駒大）は７回１失点で巨人戦初登板初勝利。Ｇ打線をわずか２安打に封じ込み、絶対的エース菅野との投げ合いを制した。

　「意地でも先にマウンドを降りないという気持ちで投げ切った」

　その言葉通り主役は伊藤だった。この日はプロ入り後最速の１５３キロも計測。圧巻は六回だ。先頭から吉川、岡本和を直球で連続の空振り三振に斬った。四球を挟んだが「絶対にホームを踏ませない気持ちだった」と最後は亀井も空振り三振に。主軸をねじ伏せ、大きく拳を握った。

　今後につながる学びもあったという。大学時代に変化球の出し入れなど投球術を参考にした菅野と打者として対戦。「すごい。本当に（ストライクゾーン）ギリギリに入ってくる。見たこともない」と球界屈指の制球力を肌で感じられた。

　堂々の投球で自身初の２連勝。それでも「勝ってかぶとの緒を締める。次に向かっていい準備をしていきたい」。気持ちは新人のままだ。