「日本ハム３－６楽天」（９日、札幌ドーム）

　最後の打者を三振に斬ると大きく息を吐き出した。楽天の守護神・松井が通算１５０セーブを達成。２５歳６カ月での到達はＤｅＮＡ・山崎が１９年に記録した２６歳９カ月を更新する、プロ野球最年少記録。球史に名を刻んだ左腕が一番に口にしたのは周囲への感謝だった。

　「僕自身があまりがんばっているっていうのはないです。若いときから、大事なところでマウンドに上げてくださっている結果かなと思います」

　この日の登板もその思いは変わらない。託された九回を三者凡退できっちりと締めた。「前回は１点差の場面で（セーブに）失敗していたのでしっかり締めようと思っていきました。３点差でマウンドに上げてくれたチームメートに本当に感謝したいと思っています」。深々と頭を下げた後、笑顔で記念ボードを頭上に掲げた。

　さらにこの日は母の日でもあった。記念のボールは母・真琴さんか妻で女優の石橋杏奈夫人のどちらに贈るかで迷い中。それでも「こういう日に達成できたというのは非常に感慨深く思っています」と堂々と語った。

　石井監督も「楽天史上で一番の抑え」と認める男。これからも楽天リードの九回には守護神・松井が君臨し続ける。