清原和博氏は「律義で優しい男」恩師・内田順三氏が見た教え子の今「支えは野球」

 元プロ野球選手の清原和博氏が、自身のツイッターで巨人時代に師事した名伯楽・内田順三氏(デイリースポーツ・ウエブ評論家)の秘蔵ノートを公開した。野球を通じて、本格的に社会復帰を果たした清原氏。教え子との思い出や「今」について、内田氏に聞いた。

 ◇ ◇

 今、キヨの支えになっているのは家族や子供の存在であり、そして野球ではないか。去年、「ノートを見せてもらえませんか」と相談があり、画像をコピーしてあげたんだ。ノートは私が選手を指導する際、どんなルーティンをやらせた方がいいかというものをまとめたもの。例えば、「アッパースイングの選手にはどう指導したらいいか」などが書いてあるんだけど、その一部をピックアップして見せたんだよ。

 本当は人に見せるなんていうことはあまりしないんだけど、キヨが言ってきたものだから。どうするのかは詳しく聞いていないけど、息子たちが野球をやっているからね。今はまだ指導できないけど、「いつか、自分の原点である学生野球に貢献したい」とも語っていたから、勉強もしているんじゃないか。

 キヨはやんちゃなところはあるし、感受性がとても強い。うそが嫌いで正直者で。だから、マスコミと衝突することもあったし、誤解されやすい面もあった。ただ、元来優しく情に厚い男で、非常に律義なんだよ。私が巨人から広島にチームが変わった時も、必ずあいさつにきていた。たまたま移動の時に駅のホームで会っても、新幹線が出発するまで窓越しに立ち、発車したら頭を下げるほど。自分が目をかけていた広島・栗原のところに寄ってきて、「今日ホームラン打ったらバットをあげるから」と言って、本当に実現したこともあった。

 いい時も悪い時も知っているし、涙もたくさん見たよ。食事を節制して臨んだ2000年のオープン戦で肉離れ。帰京することになり、部屋をのぞくと私の顔を見るなりポロポロと涙を流していた。でも、その悔しさもはね返して2001年には打点王まであと一歩の素晴らしい成績も残せた。どうしてもムキになって引っ張りに入ることが多く、持ち味である逆方向の意識を徹底できていれば、もっとすごい通算成績も残しただろう。そんな話は当時もしたし、今は笑ってするんだけどね。

 今はYouTubeでも活躍しているようで、周囲から『内田さんのこと話していましたよ』なんてことも聞く。面白いらしいね。やっぱり彼はスーパースターで、今でもファンは多いから。野球から離れることなく、勉強しながら一歩一歩ステップアップしていったらいいんじゃいかな。

 ◇内田順三(うちだ・じゅんぞう)1947年9月10日生まれ。静岡県出身。現役時代は左投げ左打ちの外野手。東海第一から駒大を経て、69年度ドラフト8位でアトムズ(現ヤクルト)入団。75年日本ハム移籍。77年広島移籍後、82年限りで現役引退。通算成績は950試合485安打25本塁打182打点、打率・252。83年以降は2019年まで広島、巨人で1軍打撃コーチ、2軍打撃コーチ、2軍監督などを歴任。現在はJR東日本の外部コーチを務める。著書には清原氏との対談も収録された「打てる、伸びる!逆転の育成法」、「プロの選手だけに教えてきたバッティングドリル100」。

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