【ドラ1の逆襲】ソフトバンク・田中 マサカリ投法で1軍勝ち取る!新フォーム挑戦中

 ドラフト1位で入団しながらも現状に苦しむ選手にスポットを当て、今季への思いや意気込みを聞く“ドラ1の逆襲”。昨年右肘痛で1軍登板がなかったソフトバンクの田中正義投手(26)は、巻き返しへ元ロッテの村田兆治をほうふつとさせる新フォームに挑戦している。現在もリハビリ組で調整しているが、16日に今年初めてブルペン入りするなど状態は右肩上がり。春季キャンプから猛アピールする。

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 セットポジションから左脚を上げると同時に右肩を落とし、重心は背中側に移す。しっかりためをつくると、最後は力を爆発させるように思い切り右腕を振った。筑後のファーム施設で力強いキャッチボールを披露した田中は、終わった後もスマートフォンで撮影した自身のフォーム映像を食い入るようにチェックした。

 ロッテで215勝を挙げた村田兆治の代名詞「マサカリ投法」を思い出させるフォームだが参考にしたわけではないという。「プロに入ってからずっとチャレンジはしてきた。四肢じゃなくて体のうねりで投げる感覚。極端に言えば自分の好きなように投げる感じ」。試行錯誤の末、ようやく感覚がかみ合ってきたようだ。

 16年度ドラフトで5球団競合の末、ドラフト1位で入団した右腕だが、ここまでの4年間で1軍登板は11試合のみ。昨季は右肘痛で登板なしと今季はまさに正念場だ。それでも悲愴(ひそう)感はない。むしろプロ入り後で一番と言ってもいいほど表情は明るい。「まだまだ(状態は)良くなるし、早く練習したいとも思える。こんな気持ちはプロに入って初めて」。16日には今季初のブルペンで座った捕手に約30球を投げ込むなど、右肘の状態は確実に上がっている。

 ケガ続きの4年間は無駄ではなかった。「今はケチャップがドバドバ出る感じ」。この表現は「ゴールはケチャップみたいなもの。出ないときはなかなか出ない。出るときはドバドバと出る」とのサッカー元オランダ代表FWファンニステルロイのコメントから浮かんだもの。「腕や指先などの末端に意識がいき過ぎていた。体全体をコントロールする重要性が分かってきたのは、4年間があったからこそ」。ケチャップが出るようになったのには理由があった。

 2月から始まる春季キャンプでは厳しい競争が待つ。「ここ数年はキャンプ中にケガをしてシーズンに出遅れている。無事に乗り切りつつ最大限アピールしていきたい」。マサカリという新たな武器を手にした26歳が今季こそ本領を発揮する。

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