オリックスヘッドコーチ就任の水本勝己氏とは…広島時代の苦労知るOB北別府氏語る【NPB】

 オリックスは26日、ヘッドコーチに前広島2軍監督の水本勝己氏が就任と発表した。現役で1軍実績はないものの長年のブルペン捕手から指導者に転身。2軍監督としてカープの3連覇を支えた。同氏がブルペン捕手時代に現役、コーチだった北別府学氏(デイリースポーツウェブ評論家)に水本氏の人となりを語ってもらった。

 ◇  ◇

 社会人(松下電器)時代の実績はあまり知らなかったけれど、カープに入ってきてから1軍に上がることができなかった苦労はよく知っている。そんな苦労人が、現役を引退してブルペンという違う形で私の現役時代やそしてコーチになってからは、若手投手の球を受けて助けてくれた。

 長い付き合いでオリックスのコーチ就任報道が出てから電話も入れた。ウラオモテのない駆け引きをしない性格で、どんな時にも大きな声で励まされたり助けられたりだった。元気があり声を出してくれ、随分助けられた。「シュート回転していますよ」「体が少し開いています」と指摘してくれた。私も投げていてそうだったようにブルペン捕手のそんな言葉で調子の確認ができたものだ。若い投手にはしっかりアドバイスを送っていた。

 私が若いころに石川政雄さんというブルペン捕手がいた。同じように声が大きく、厳しい言葉もあったけど「今のはこうだった」、「いいボールだな」とアドバイスをもらい成長させてもらった。水本もよく似ており、若い投手の成長には大いに貢献したと思う。

 裏方に徹した人生だったが、途中からブルペンコーチ補佐、3軍統括コーチ、2軍バッテリーコーチそして2軍監督と指導者となった。3連覇したときには2軍監督として苦労もあっただろうが、1、2軍のパイプ役としてチームを支えた。

 2軍では伸び悩んでいる選手や育成段階の選手とどう接するかなど大変な重積だったと思う。できあがった選手を伸ばすのは簡単だけど、伸び悩んでいる選手の殻を取り除き成長させなければならないのだから本当に難しい事。ブルペン捕手としての経験が生かされたと思うし、懐が深く性格も柔らかいので選手との溝もなかったと思う。

 今季も大盛、羽月、宇草の野手が1軍でプロ初安打を記録した。球団の方針、選手の力もあるだろうが、初球から打っていけという彼の教えがあったのかもしれない。面倒見がよく責任感の強いいいスタッフだった。

 コーチは自分でどうにもできないことがある。教えた選手が結果を出さなければならない。次の人生でカープで学んだことを生かしてもらえればと思う。オリックスに行ってもあの性格だからチームになじむだろう。電話でもアドバイスしたが、52歳とまだまだ若いのでブルペン捕手から2軍監督として指導した経験を他チームでも生かして若手の育成に頑張ってほしい。今後もプロ野球界に貢献する事を心から願って止まない。

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