北別府氏が広島・森下VS巨人・戸郷のセ新人王争い占う 勝ち星同数なら戸郷有利か

 セ・リーグの新人王争いが白熱してきた。広島のドラフト1位ルーキー・森下暢仁投手が10日のヤクルト戦(マツダスタジアム)で8勝目を挙げ、翌11日に2年目の巨人・戸郷翔征投手が中日戦(ナゴヤドーム)で6回2失点ながら5敗目を喫した。8勝で勝ち星が並び2人がデッドヒートを繰り広げる。広島OBでデイリースポーツウェブ評論家の北別府学氏に新人王争いについて聞いた。

 9月以降3勝1敗の森下に対し、戸郷は1勝3敗と負けが先行している。北別府氏は「戸郷の内容が良かったり悪かったり安定しないのは、優勝がかかっていたり自分のタイトル(新人王)もある。そういうプレッシャーがかかる中で投げている。又、個人のタイトルより優勝する為にという事を最優先に投手起用をする。森下は、チームの為の投球というより、極端に言えば自分のピッチングさえすればいいのだから雑念なく、マイペースに投げられている」と、2人の置かれた状況の違いを指摘した。

 登板数は2人ともに15試合でいずれも先発し、勝ち星も同じ8勝。負け数は森下が3敗で戸郷が5敗。投球回数は森下が98回2/3、戸郷が84回2/3、防御率は森下が2・28、戸郷が2・76となっており、数字的には森下が有利となっている。

 ただ、新人王は新聞記者の投票によって決まる。「戸郷は優勝するであろうチームの投手。下位チームの森下は、相手よりも1つ、2つ勝ち星で上回る必要があるかもしれない」。個人成績以外でペナントレースで独走する巨人のローテーションの一角を担う戸郷の有利な点も挙げた。

 オープン戦から森下の投球に注目してきた北別府氏は「ボールにキレがある。そしてストライクを先行できるコントロールがある。追い込んだら甘いところにいかないので、バッターがボール球を振ってくれる。自分有利の投球ができるので追い込んでから遊んでもいいしズバッと勝負もできる。1年を通して投げているし新人王にふさわしい内容」と高い評価をしている。森下はここ2試合連続無失点で評価通りの投球を続けている。

 残りは広島が24試合、巨人が25試合となっている。2人の登板は4、5試合。「森下にはまず2桁を狙ってほしい。2人を比較したときに同じ勝ち数となったら優勝争いをしている投手の方が有利となるだろう。残りで森下がいくつ勝てるかということが鍵となるのだが、先に挙げたように自分が勝つ事に専念できる森下に大きなチャンスはある」。通算213勝を挙げ数々のタイトルを手にしてきた北別府氏だが、一生に一度しかチャンスのない新人王は獲得できなかった。それだけに広島OBとして後輩に新人王を獲らせたいという気持ちが大きいようだ。

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