DeNAラミレス監督の采配に見えた“したたかさ” 岡義朗氏は柴田への指示に注目

 「阪神3-5DeNA」(10日、甲子園球場)

 DeNAが逆転勝ちを決めた。オースティンに1発、ソトに2発が飛び出しての豪快な逆転劇のようにも見える。しかし、元阪神コーチの岡義朗氏(デイリースポーツ評論家)は、逆転劇の裏側にラミレス監督の繊細かつ大胆な采配が見えたという。

 まず岡氏が注目したのが五回の攻撃だ。2-3と1点ビハインドの場面。先頭の梶谷が中前打で出塁した。

 「普通なら次打者に送りバントをさせて、まずは同点を狙いにいく。しかしラミレス監督は柴田にヒッティングの指示をした」

 柴田は遊ゴロ失策で出塁。無死一、二塁となり、オースティンの左前打で同点とした。

 対照的な場面として指摘したのは、七回の攻撃だ。この回も先頭の梶谷が左前打で出塁。無死一塁で柴田が打席に入ると、今度は送りバントを決めた。これで1死二塁とし、オースティンの右前適時打で追加点を奪った。

 「五回とは違って1点リードしていた場面。押せ押せで攻撃的に打たせてくるかと思ったところで送りバントを指示した。五回と七回の作戦は普通とは逆にも思えるが、そこにラミレス監督の繊細な勝負勘が見える」

 投手交代についても独特の采配が見えたという。先発の浜口を二回1死満塁で早々に降板させると、打者・糸井に対して進藤を投入。進藤は糸井、大山を連続見逃し三振に仕留め、無失点で切り抜けた。

 「左の糸井に対して右横手投げの進藤。セオリー通りなら左投手を投入する場面だけに大胆な人選にも思えるが、速球にもろさを見せることがある糸井に対しては、左投手ということよりも球威を優先して考えたのだろう。横手からの150キロ近い速球は、かなりの球威を感じるはず。糸井は最後にスライダーを見逃しての三振だったが、速球を意識していたからこそ手が出なかったのかもしれない」

 ときに他の日本人監督には見られないような采配、作戦を繰り出すラミレス監督。岡氏は「何を根拠にそんな作戦をと思うこともあるが、冷静に考えてみると根拠が見えてくる。要所要所にうまさ、したたかさを感じる采配だ」と言う。もちろん必ずしも結果につながっているわけではないが、この日の試合では繊細かつ大胆な采配で逆転勝利を呼び込んだとも言える。

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