倉敷商が快勝 笑って終えた原田主将の最後の夏「あの悔しさなかったら…」

 「高校野球交流試合、倉敷商6-1仙台育英」(15日、甲子園球場)

 3試合が行われ、岡山代替大会を制した倉敷商は打線がつながり、6-1で仙台育英を撃破した。投げては四回途中から登板した永野司投手(2年)が、6回無失点と好投。投打がかみ合い、12年夏以来の甲子園での勝利を挙げた。履正社は10-1で星稜に大勝し、国士舘は4-3で磐城を下した。

 スタンドの“大応援”を力に変えた。五回2死満塁、控え選手と家族から「WE WILL ROCK YOU」のリズムで手拍子が響く。「すごく聞こえてきて、スタンドの方を見てしまった」という浅野大器外野手(3年)が大音量を背に押し出しの四球を選び、大きくガッツポーズを決めた。

 1年前の悔しさを晴らす夏となった。2月下旬、グラウンドのバックネット裏の机に、主将の原田将多内野手(3年)の手で、1枚の写真が置かれた。

 地元のアマチュアカメラマンから贈られたその写真には、打席内で泣き崩れる原田と、その後ろで優勝を喜ぶ岡山学芸館ナインの姿が。昨夏の岡山大会決勝、九回2死二塁で空振り三振に倒れた瞬間だ。

 試合後、原田は「あの悔しさがなかったらセンバツも決められなかったし、ここにもいなかった」と振り返った。あの悔しさを忘れないよう、3月に休校となるまで、写真を置くのも、片付けるのも原田の役目だった。

 今夏の代替大会決勝では創志学園を11-1の大差で破り「どんな相手が来ても勝てる、という空気はできていた」とチームには自信があふれていた。岡山最強を証明し、憧れの甲子園でも勝利を手にした。号泣した1年前とは違う。最後の夏を笑って終わることができた。

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