倉敷商・福島、家族との絆でたどりついた夢の甲子園 母お手製カレーが活力

仙台育英を破り喜ぶ倉敷商ナイン(撮影・佐々木彰尚)
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 「高校野球交流試合、倉敷商6-1仙台育英」(15日、甲子園球場)

 倉敷商の4番・福島大輝外野手(3年)の力の源は、母・千恵子さん(42)の作るカレーだ。

 ルーは「こくまろ」の中辛。最後にガラムマサラを少し足して、辛めに仕上げる。千恵子さんは「辛口は無理。中辛に少しだけ辛いのを入れるのが好きですね」と、息子好みに仕上げる“コツ”を語る。

 また、高校に入学したころから夕飯でしか食べなかったカレーを、翌朝も食べたがるようになったという。“寝かせた”カレーのおいしさに気づいたのか、1日の活力とするためか、理由はわからないというが「昔よりも好きになっていると思いますよ」と、母は笑う。

 運送会社に勤める父・真一さん(42)の帰宅が夜遅いこともあり、姉の千聖さん(20)も含め、夕飯以降の母子の時間は昔から長かった。昨秋の中国大会準決勝の前夜も、母と息子は長い時間2人で語り合った。勝てば春のセンバツ出場をほぼ手中に収める。「(野球を始めた)小学1年生から夢見てきたものが、あしたの試合で決まるって話をたくさんして、次の日試合に勝って、夢がかなったことを、すごくうれしそうに話してくれました」。息子の笑顔を思い出し、母はまた笑った。

 思い描いた形とは違ったが、夢見た甲子園にようやくたどりついた福島。4番・中堅で出場し、1点差の四回2死から「バットを短く持たずに、思い切って自分のスイングをしよう」と、中越えの二塁打を放ち、続く田村幸哉捕手(3年)の安打で、同点のホームを踏んだ。

 父からは「野球は1人ではできない。助けられていくんだから、相手の立場になって考えて」と常々教えられてきた。センバツが中止になり「なんのためにやってるんかな」と、落ち込んだとき、3年生のグループラインに励まされ、後ろ向きな考えをやめた。家族への感謝を込めて甲子園に連れて行く、という目標も達成した。「大学で活躍できる選手になりたい」と、次なる目標を掲げた福島。周囲の人の力を借りて、これからも突き進んでいく。

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