詰将棋のような“原采配”「切り札だから」残した亀井の劇打で巨人今季初サヨナラ

 「巨人4-3ヤクルト」(13日、東京ドーム)

 巨人が今季初のサヨナラ勝ちで、貯金を11に伸ばし、2位DeNAとのゲーム差を4に広げた。代打の切り札・亀井が初球で仕事をしたが、勝負の打席に至るまでには、原監督の詰将棋のような采配があった。

 試合後、原監督は「亀井が何て言うか集中力の中でね。初球に仕留めたというのはもう見事ですね」とベテランをたたえた。ただ、そこに至るまでには、指揮官の頭で方程式が組み立てられていた。

 ヤクルトは九回、右投げの大下が登板したが、先頭の中島が左前打を放つ。代走は足のスペシャリスト・増田大。吉川尚の打席で二盗を決め、絶好のサヨナラ機を迎えた。

 吉川尚が決めていればすんなり決着ではあった。だが、吉川尚は倒れ、打順がピッチャーの中川にまわる。ここで亀井を起用することも考えられたが、コールされたのは前日12日に代打で二塁打を放っていた若林だった。

 若林が決めれば、それでよし。ダメでも次は復調の兆しが見える坂本という状況だった。若林は一ゴロに倒れたが、走者は三塁に生きてサヨナラ機は継続。ヤクルトは坂本を申告敬遠し、試合途中から出場していた松原に打順がまわった。

 ここで満を持して代打・亀井が登場する。ヤクルトもマクガフを登板させたが、初球を亀井が振り抜き、サヨナラ中前打で勝負を決めた。

 走者一、三塁の場面まで亀井を残し、もしも亀井が四球となったら、満塁で試合前の得点圏打率・375のウィーラーに託せるという二段構えの攻撃態勢が整っていた。層の厚さと、中島の出塁をきっちりと得点に結びつけた原監督の采配だった。

 若林を先に送り出したことについて、原監督は「あそこで出しても勝負してこないだろう、というところ。うちの亀井は切り札だから。切り札、というところでしょうね」と勝負どころを見定めていたと明かした。

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