オリックス【きょうは何の日】95年、仰木監督執念の采配、応えた平井10勝目
「オリックス2-1ロッテ」(1995年7月13日、グリーンスタジアム神戸)
延長十二回、トロイ・ニールが右中間へサヨナラホームランを放った。仰木彬監督の執念采配が勝利へと結びついた一戦だった。
六回にイチローが小宮山悟からバックスクリーン直撃の特大本塁打を放ち先制した。本塁打争いで再び単独トップに立つ16号でチームは勢いに乗ったかに見えた。
ところが、先発の小林宏が直後の七回に同点に追いつかれる。ここから小刻み継投に入った。延長十一回2死二塁のピンチを迎えると迷いなく守護神・平井正史を投入した。
実は平井、パ・リーグ記録の10試合連続セーブに王手を掛けていた。同点での登板でタイ記録は消えた。初優勝に向けて指揮官は個人記録よりもチームの勝利を優先した。
この起用に応えるように平井はピンチを脱出すると十二回も0に抑え、サヨナラ弾へとつなげた。これでハーラートップの10勝目となった。
「10勝目ですか?もらったようなもんですから。でも、すごいですね。記録のことは意識するとダメになる。なるべく考えないようにしました」
プロ2年目の平井はこの年、1軍に定着し抑えに抜てき。15勝5敗27セーブを挙げて最優秀救援投手と最高勝率のタイトルを獲得し、新人王にも選出された。
現在、オリックスで1軍投手コーチを務める。
当日のスタメンは次の通り。
(8)イチロー
(5)馬場敏史
(7)田口 壮
(9)藤井康雄
(D)トロイ・ニール
(4)小川博文
(3)D・J
(2)中嶋 聡
(6)勝呂壽統
(P)小林 宏