球宴初の中止 今年は見られない夢の対決…準備期間、選出基準も難航で断念

 臨時の12球団代表者会議が11日、オンラインで行われ、今年のオールスター(7月19日・ペイペイドーム、同20日・ナゴヤドーム)とフレッシュオールスター(13日・坊っちゃんスタジアム)の中止が決定した。オールスターは1951年に第1回が開催されて以降、史上初の中止となった。

 新型コロナ禍に揺れる球界で、また一つ、夢の舞台が消えた。会議後に会見に応じた斉藤コミッショナーは「残念なご報告になるが、日程や準備の関係で本年はオールスターゲーム、フレッシュオールスターを中止すると決定しました」と史上初となる球宴の中止を発表した。

 昨季は5月24日からファン投票が開始されており、本来であれば5月は球宴の準備が進められる期間。だが、6月開幕が実現したとしても、球宴までは1カ月あまり。準備期間は圧倒的に少ない。

 また試合数の減少により、選手選出の基準も難しくなる。斉藤コミッショナーは「試合数が変則的になってきて、時間感覚から考えても、オールスターの選手をどう選ぶか、難しい問題がある。過去の記録などを考えても、継続性の問題もある」と経緯を説明した。

 51年に第1回が開催された球宴では数々の名勝負、名場面が刻まれた。71年には阪神・江夏が9者連続三振の記録を打ち立て、78年には阪神・掛布が球宴史上初の3打席連続本塁打。87年には巨人・桑田と西武・清原のPL学園同期による「KK対決」も実現した。

 海を渡った選手たちも歴史に名を刻んだ。96年にはオリックス・イチローが投手として登板し、記憶に新しいところでは14年に日本ハム・大谷が甲子園で日本球界最速の162キロを記録と、まさに真夏の夢の祭典だ。

 今年が70年目と節目の年だっただけに、中止は苦渋の決断。斉藤コミッショナーも「非常に心苦しく待ちわびていたファンの方々、関係者の方々に申し訳なく思っています」と無念さをにじませた。

 だが、今はプロ野球の火をともすこと、公式戦の消化が最優先という判断だ。苦難の中でシーズンを開催し、ファンの歓声が戻る日まで、痛みを伴いながらも前へ進む。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

野球最新ニュース

もっとみる

    スコア速報

    主要ニュース

    ランキング(野球)

    話題の写真ランキング

    写真

    デイリーおすすめアイテム

    リアルタイムランキング

    注目トピックス