侍・稲葉監督やっぱり誠也が4番 東京五輪金へ絶対的信頼
「広島春季キャンプ」(9日、日南)
野球日本代表の稲葉篤紀監督(47)が9日、広島が春季キャンプを張る日南市の天福球場を視察した。ランチ特打で柵越えを連発した鈴木誠也外野手(25)を東京五輪で金メダルを狙うチームの4番最有力とし、順調な仕上がりに目を細めた。
雲一つない青空に描かれる放物線に、稲葉監督は驚きを隠せなかった。ランチ特打で鋭い球を放つ鈴木誠の調整は順調そのものだ。「いろんな球団を見ているけど、打球の強さ、飛距離が、他の選手とちょっと違う」。最大級の賛辞を贈った。
広島の4番は56スイングで12本の柵越え。推定飛距離130メートル弾や4スイング連続アーチがあった。「数多く良い当たりが出て良かった」。背番号1は汗をぬぐい、充実感をにじませた。
昨年、プレミア12で金メダルを獲得したチームは、4番・鈴木誠を軸に打順を考えることが多かった。東京五輪の4番について指揮官は「選んだときの調子もある」と前置きした上で「誠也を4番に、という理想は当然ある」と力を込めた。
プレミア12では全8試合で4番を担い、打率・444、3本塁打、13打点で大会MVPを獲得した。「4番は、そう簡単に打てるものではない。プレミアの経験が大きい」。東京五輪ではさらに大きなプレッシャーがのしかかるはず。重圧をはねのけた強い精神力に絶対的な信頼を寄せる。
鈴木誠とはがっちり握手し、話に花を咲かせた。「五輪でも金メダルをぜひ取りたいという話をしてくれた。心強かった」。頼もしい言葉。稲葉監督が再び表情を崩した。