佐々木 血マメ悪化1回降板…自力V消滅 侍一丸も韓国に無念サヨナラ負け

 「U18W杯・2次リーグ、韓国5-4日本」(6日、機張)

 1次リーグB組1位の日本は、同A組1位の韓国と対戦したが、延長十回タイブレークの末、逆転サヨナラ負け。自力で決勝進出を果たす可能性が消滅した。右手中指にできた血マメの影響で今大会初登板初先発となった佐々木朗希投手(3年)が、患部を悪化させて1回で降板するアクシデント。最後はミスが命取りとなり、悲願の初Vへ厳しい状況に追い込まれた。

 宿敵に逆転負けを喫するとともに、Wエースの一角がまたも負傷する事態に陥った。先発した佐々木が8月26日に負った右手中指の血マメを悪化させ、緊急降板。1回、わずか19球の世界デビューとなった。

 前兆はあった。試合前のブルペン。気持ちの高まりに反し、完治したはずの右手中指に違和感が再び襲ってきた。それでも、「任せられた以上はしっかりやりたい」。強い責任感を持って、マウンドへ向かった。

 ただ、体は正直だった。150キロ台の球速こそ出ながら、球が明らかに走らない。制球も定まらない。患部からは出血も起きたが「とにかく初回だけは抑えたい」。2番打者をストレートの四球で歩かせ、2死後に異変を察知した永田裕治監督(55)がマウンドへ向かった。

 意地で後続を断って1回を無失点に抑えたが、すぐにベンチで首脳陣や医療スタッフと相談。そこで降板を告げられた。

 5日のカナダ戦でのブルペン待機も響いていた。終盤に1点差なら登板と聞かされ、「8割ぐらいで。時間がなかったので急いで作っていました」。これまでの経験にないほど急ピッチで仕上げた。試合後は患部をアイシングでケアした状態で取材対応。チームに帯同する竹中雅彦事務局長は「ブルペンで作る球数も多かった」と影響を否定しなかった。

 チームは想定外のアクシデントを乗り越えようと奮闘したが、2点リードの八回にミスから追いつかれると、延長十回タイブレークの末に逆転サヨナラ負けを喫した。自力で決勝進出を果たす可能性が消滅し、悲願だった初Vへの道のりは非常に険しくなったと言わざるを得ない。

 佐々木本人は「前回よりも(症状は)軽い」と明かしたが、指揮官は「難しいと思います」と今後の起用が絶望的であることを示唆した。奥川恭伸投手(3年)とともにチームの大黒柱として期待した右腕。類いまれな才能を持ちながらも…世界の舞台で輝きを放つことはできなかった。

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