初の日本一に王手をかけた崇徳 延長50回の死闘から学んだ教訓とは

 「全国高校軟式野球選手権・決勝、崇徳-中京学院大中京」(30日、明石トーカロ球場)

 初優勝を狙う崇徳(西中国・広島)と、3年連続10度目の優勝を目指す中京学院大中京(東海・岐阜)との決勝。一回裏、中京学院大中京の攻撃中に雨が強まり、ノーゲームになった。決勝は順延され、31日午前11時から行われる。

 「選手にはベストなコンディションでプレーさせてあげたいので(ノーゲームは)良かった。選手はしっかり体を休めて明日の試合に備えてほしい」。そう話した崇徳の中河和也監督にとっても特別な思いを胸に秘めて迎えた決勝だった。

 両校は2014年の第59回大会の準決勝で延長五十回の死闘を繰り広げた(中京学院大中京は当時中京)。0-0のまま延長15回サスペンデッドとなり、翌日も15イニング(延長30回)戦っても決着がつかず再サスペンデッド。さらに3日目も15イニング(延長45回)を終えて0-0のまま再々サスペンデットに。4日目の5イニング目(延長50回)に崇徳は3点を失い、0-3で涙をのんだ。

 指揮を執っていた中河監督はこの試合から「軟式では1死二塁は得点機にはならない」という教訓を得たという。軟式球はインパクトの瞬間にボールがつぶれるため硬式球よりも打球が飛ばず、芯を少しでも外すとゴロやフライといった凡打になりやすい。硬式と違って得点が入りにくい理由でもある。

 「得点するためにはいかに1死三塁の場面を作れるか。送りバントに盗塁やエンドランなども絡めた、より緻密な作戦が大切になってくる」。死闘から5年。指揮官は「全国に出るのが目標ではなく、全国で勝つための野球を模索してきた」という。その集大成となる決勝は、思わぬ“水入り”で今回も2日がかりの試合となることが決まった。

 31日は中河監督の35回目の誕生日。延長五十回で敗れた5年前も8月31日だった。因縁めいた両校の戦い。新チーム結成後、公式戦は18戦無敗(17勝1分け)の快進撃を続けてきた崇徳が、このまま悲願の日本一をつかみ取ることができるか。今年の誕生日も中河監督にとっては忘れられない1日となる。

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