鳴門・西野8回8失点敗退 熱投963球の夏「最後まで投げ切りたかった」
「全国高校野球選手権・2回戦、仙台育英8-5鳴門」(14日、甲子園球場)
2回戦3試合が行われ、鳴門は仙台育英に敗れ、3年ぶりの16強入りを逃した。先発のエース左腕・西野知輝投手(3年)は、8回を投げ13安打8失点(自責6)。九回にこの夏初めてマウンドを譲ったが、徳島大会から計7試合、963球の熱投でアルプスの応援団を沸かせた。
絶対的エースが力尽きた。3点ビハインドで迎えた八回の攻撃で、すでに126球を投げていた西野は代打を送られ降板。徳島大会から通じて今夏、初めてマウンドを譲り「最後まで1人で投げ切りたかった。悔しい」と唇をかんだ。
初回に苦しんだ。「球が高めに浮いていた」と制球が乱れて仙台育英打線に連打を許した。4番・小濃に甘い直球を右中間席へ運ばれるなど、いきなり6安打で4失点。「初回に自分がしっかり投げていたら、試合は分からなかった」。立ち上がりを悔やみ、敗戦の責任を負った。
西野は出場49校の中で、地方大会を1人で投げ抜いた唯一の投手だ。甲子園入り後に保護者らを招いて行われた「激励会」では、あいさつの際に「今年は1人で投げ抜きます」と宣言。その言葉通り、初戦・花巻東戦は4失点完投でチームを勝利に導いた。
2年生エースとして出場した昨夏の甲子園では、初戦の花咲徳栄戦で終盤に崩れて敗退。その悔しさを胸に体力アップに励んだ。学校近くにある「妙見山」の坂道を走り込んで下半身を強化。疲労回復に豚肉が効くと聞き、母・美佳さん(40)に頼んで「冷しゃぶ」を登板日の前後に食べ続けた。
この夏、徳島大会初戦から計7試合で963球を投げた。最後の1イニングだけマウンドにいられなかったが「甲子園は自分を成長させてくれた場所」と西野。卒業後は大学進学を希望する。「この経験は、これから野球を続けていく上で自信になると思います」。鳴門の“鉄腕”は前を向いた。




