尾道・エース井上、敗れて悔いなし 疲労隠せず10失点KOも、再登板で魂の三振締め

 「高校野球広島大会・決勝、広島商10-7尾道」(29日、マツダスタジアム)

 序盤のビハインドがあまりにも大きすぎた。尾道のエース井上愛斗投手(3年)は初回に2点を失うと、三回には14人攻撃を受けて8失点。四回からは一塁の守備に就いた。

 「抑えようという気持ちが前に出過ぎて投球のテンポが悪かった。変化球も曲がりすぎて死球になってしまった」。準決勝までの6試合中、5試合に登板して4完投。計692球を投じた疲労は隠しきれなかった。

 北須賀俊彰監督(50)は「井上がここまで点を取られたことは見たことがない。彼一人に頼る形になって、最後にさらし者のようになってしまったことは申し訳ない」と険しい表情で話した。

 それでも試合後の井上に涙はなかった。三回を終わって1-10の絶望的な状況の中、ナインは懸命に反撃。六回には7安打集中で6点を奪い、広島商ベンチを慌てさせた。

 井上は九回1死から再びマウンドへ。最後の打者はこん身の142キロ直球で空振り三振に仕留めた。「あのまま1-10で負けていたら悔いは残ったが、自分たちの粘り強い野球ができたし、最後の球は3年間のすべてを出し切った球でした」。敗れて悔いなし。かなわなかった甲子園の夢は後輩たちに託した。

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