広島商15年ぶり甲子園へ王手 夏4連敗中の広陵を「強い思い」で撃破

 「高校野球広島大会・準決勝、広島商13-5広陵」(27日、しまなみ球場)

 広島大会は準決勝2試合が行われ、広島商が広陵を13-5で下した。二回に西森颯大外野手(3年)の2点適時二塁打で先制、その後も得点を重ねた。過去2年敗れていた準決勝での伝統校対決をついに制した。決勝は29日、尾道商を僅差で破った、初進出の尾道と戦う。

 青空の下で、広島商ナインが笑った。2年連続で流した悔し涙とは対照的な、最高の表情だ。またも準決勝で実現した広陵との伝統校対決。広島の高校野球界を共にけん引してきたライバルを退け、15年ぶりの甲子園出場に王手をかけた。

 「選手たちには(広陵に負けないという)強い思いがあった。日本一を目指してきた中で広陵は目標になるチーム。勝てたということで全国で通用するチームになりつつあると思います」。頼もしい選手たちを、荒谷忠勝監督(42)は力強い言葉でたたえた。

 二回、西森の左越え2点適時二塁打などで3点を先制。四回は北田勇翔内野手(3年)がスクイズを決めるなどした。終盤も長短打と打線がつながる。昨夏前に就任した荒谷監督が目指す野球は「堅守柔攻」。無失策と安定した守備でリズムをつくり、さまざまな攻めで広陵の追従を許さなかった。

 「高校野球あるあるだと思うけど、苦しい試合をものにして1試合1試合、成長してきた」。決勝まで駒を進めたチームを、荒谷監督はこう表現した。4回戦の神辺旭戦は2点差の延長十回2死からサヨナラ勝利。前日27日の呉との一戦は2-2の九回からしぶとく得点して2試合連続サヨナラ勝ちを収めた。

 崖っぷちに立たされても、常に前を向き続けられたのは、春季広島大会で成し遂げた15年ぶりの優勝があったからだという。本気で頂点を狙うと意気込んだ戦いで有言実行。成功体験が「どんな状況でも自分たちはできる」という精神構造を生んだ。「優勝が本当に大きかった」。それを土台にして臨んだ今夏は、劣勢をはねのけて勝ち上がることで、さらに自分たちの野球に手応えをつかんでいった。

 広陵には公式戦7連敗中で、夏に限れば4連敗中だった。負の流れを断ちきり、夢舞台が手の届く所まで来た。「最後に1点でも多く取って勝ち切ることが大事」と前を見据えた荒谷監督。大一番の決勝戦。選手を信じ、マツダスタジアムのグラウンドに送り出す。

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