賛否呼ぶ大船渡・佐々木の“完全休養” 勝利か、将来見据えた故障予防か

 「高校野球岩手大会・決勝、花巻東12-2大船渡」(25日、岩手県営球場)

 最速163キロ右腕の大船渡・佐々木朗希投手(3年)は花巻東との決勝戦に出場せず、チームは2-12で敗退。今秋ドラフトの目玉として、日本中の注目を集めた最後の夏。高校生の公式戦最速タイの160キロをマークしながら、甲子園出場という夢をかなえることはできなかった。

 ◇    ◇

 歴代屈指の投手を登板させずに敗退した国保監督の起用は賛否あるに違いない。昨年12月から高校野球における球数制限が大きな話題となる中、故障防止を最優先する考え方は一理ある。

 一方、大船渡ナインにとって最大の目標だった甲子園まであと1勝という状況で、エース兼4番の佐々木を起用しなかったことは果たして最善策だったのか。登板していれば連投になったが、練習試合でも2日連続のマウンドは踏んできた。決して酷な起用法ではなかったはずだ。

 朝の先発メンバー発表でナインが佐々木の欠場を知るという国保監督の独断。“完全休養”についての具体的な説明はなかった。チームメートからは「決勝なので朗希が投げてほしかった」「(自分たちにも)ちょっと相談してほしかったのはあります」という声もあり、複雑な思いが三塁側ベンチに渦巻いていた。

 指揮官の決断の裏側には、佐々木の存在が大きくなりすぎたことも影響したと感じる。高校生最速の163キロを計測したことで、常に注目を浴びた。昨夏や今春には野手として起用する試合があったものの、今大会は故障リスクを最小限にする起用が多かった。勝利か、将来を見据えた選手の障害予防を取るか。欠場は苦悩の結果だった。(デイリースポーツ・アマチュア野球担当・佐藤敬久)

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