「阪神１－２ヤクルト」（３１日、京セラドーム大阪）

　この男が打たなきゃ始まらない。ヤクルト・バレンティンが初回２死一塁から、阪神・西の高め直球を捉えた。先制の中越え適時二塁打。「昨日、おとといとチャンスに打つことができなかった。初回から打ててチョー、キモチイイ」。今季９打席目の初安打初打点で、チームに初勝利をもたらした。

　開幕２試合は得点圏に走者を置いた場面で４度凡退。陽気に振る舞う裏で、４番の責任を痛感していた。石井打撃コーチとスイング修正に取り組み、試合前の円陣では声出しを担当。「投手陣が頑張ってくれている。たくさん点を取ろう！！」と自身も含めた野手陣に気合を入れていた。

　六回にも左翼ポール際への特大ファウル。最初は本塁打の判定がリプレー検証で覆ったが「仕方ない」と気にしなかった。何より大きいのは「１本出てホッとしている」とお目覚めの快音を奏でたこと。小川監督も「気持ちが全然違う。あさってからの神宮で変わってくれると思う」と期待する主砲の爆発で、本拠地開幕から一気に波に乗る。