金足農・吉田、2失点完投でミラクル呼んだ 仲間に感謝「助けられた」4試合615球

9回金足農無死満塁、斎藤の2ランスクイズが決まり奇跡の逆転サヨナラ勝ちに歓喜する吉田(中央)らナイン=甲子園
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 「第100回全国高校野球選手権・準々決勝、金足農3-2近江」(18日、甲子園球場)

 金足農(秋田)のエース・吉田輝星投手(3年)が、この試合140球、4試合合計615球を投げ、チームを34年ぶりとなる4強に導いた。

 この試合も2失点完投、4試合連続2桁となる10奪三振と力を示し、九回裏に斎藤璃玖内野手(3年)が無死満塁から2ランスクイズを決めた。

 二回、近江(滋賀)打線に2安打を許しながらも無失点で切り抜けると三回は三者連続三振と、この日も実力を見せつけた。ただ、四回には先頭を二塁手の失策で出塁させると、2死二塁から住谷に適時二塁打を許し先制点を献上。五回にスクイズで同点に追いついたが、六回には四番・北村の適時打で勝ち越し点を奪われた。

 しかし、ここで崩れない。八回も四球と失策で無死一、二塁のピンチを迎えたが無失点。九回も無死一、二塁から2奪三振などで窮地を脱し、雄たけびを上げた。

 エースの力投が流れを呼び込んだのか、九回は先頭から2者連続安打で出塁。四球を挟み、無死満塁から斎藤が2ランスクイズを決めた。

 驚異的な投球を続ける吉田は「体が100%じゃなかった。朝起きたとき、股関節が痛くて先発を辞退しようと思ったほどでした」と明かす。だが、試合前のキャッチボールで確認し、いけると判断。自らにゴーサインを出したという。

 はじける笑顔で全力校歌を歌ったナイン。吉田は「最後はみんなに助けられた感じになった」とチームメートに感謝した。チーム一丸でのミラクル劇に「今日の野球が金足農業らしい野球、執念の野球」と胸を張った。

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