前橋育英・恩田、最終回脚つり力尽く 志願続投も143球目「負けたんだなと実感しました」
「第100回全国高校野球選手権・2回戦、近江4-3前橋育英」(13日、甲子園球場)
中堅へと抜けていく打球を、前橋育英・恩田慧吾投手(3年)はマウンドからじっと見つめていた。九回無死満塁から浴びたサヨナラ打。「負けたんだなと実感しました」と悔しさをにじませた。
限界に近かった。最終回に右脚がつり、無死満塁としたところでいったんベンチへ。それでも、「最後は自分がどうにか抑える」と治療後に再びマウンドへ戻った。依然続く絶体絶命のピンチ。最も自信のあるボールと選択した初球の142キロ直球をはじき返された。
初戦で完封勝利、この日も143球を投げた右腕を責められない。二回1死満塁では、中堅へ一時逆転の2点適時打とバットで奮闘。「一番意識していた」という近江の4番・北村には打ち取った当たりで安打を2本許したが、思い通りの打撃をさせなかった。
1回戦の翌日、チームはOBの西武・高橋光成が先発したオリックス戦を京セラドームで観戦した。「失点をしてもその後抑えるのがすごい」と刺激を受けた恩田。卒業後は大学で野球を続ける予定。憧れの先輩に近づくため、エースは大舞台での敗戦を糧にする。