全国屈指の進学校・灘 初戦敗退 唯一の3年生、長谷川が有終2安打「勉強します」

 「高校野球東兵庫大会・1回戦、県西宮10-2灘」(12日、G7・STADIUM・KOBE)

 東兵庫大会では、全国屈指の進学校・灘が県西宮に八回コールドで初戦敗退した。チーム唯一の3年生で、主将の長谷川亮太外野手が2安打を放つ奮闘を見せたが、10年以来8年ぶりの初戦突破はならなかった。

 同級生はいなくても最高の夏だった。長谷川亮はすがすがしい表情で、後輩17人への思いを口にした。

 「僕が野球を続けられるように入部してくれて、助けてきてくれて、感謝だけですね。続けてきてよかった」

 理想通りに進んだ野球生活ではなかった。小学生の時から野球をしたかったが、塾など習い事が多く、白球を握る時間はなかった。灘中入学後にようやく野球を始めた。

 高校では部員不足に苦しんだ。灘は昨年度、現役で70人も東大に合格した全国屈指の進学校。中高一貫教育のため、中学の同級生部員は高校に進学すると、10人中9人が勉強に専念し、野球を続けたのは1人だけだった。

 それでも野球を辞める気はなかった。高3時が第100回大会。「そこへの意識があった」。部員不足の時期も朝練は欠かさなかった。周囲が机に向かう中、昼休みの30分でも練習に充てた。うまくなりたい一心だった。

 努力は実を結ぶ。四回無死で左越え二塁打を放ち、五回2死一塁は左前打。「力を全部出し切れた」。高校3年間で公式戦勝利は挙げられなかったが、表情に曇りはなかった。

 卒業後の目標進路は東大の理科1類。「これから食事と睡眠以外は勉強します」。東大に進学できれば、野球部に入部する予定だ。手に残った感触を励みに、今度は勉強に打ち込む。

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