打率4割に挑む日本ハム・近藤のルーティン ジャンプして打席に

 日本ハム・近藤健介捕手(24)が今年も開幕から安打を量産している。ここまで打率・429でリーグトップを独走中。自身初の首位打者を狙う今シーズンは、改めてルーティンの重要性を感じている。球界を代表するヒットメーカーの心技体に迫る-。

 昨季、幻に終わった打率4割への挑戦が再び動き出している。近藤は、間違いなく覚醒中だ。誰にも止められない。右へ左へ、今年も打ちまくっている。

 開幕から全14試合に出場し49打数21安打、打率・429。全試合で出塁し、半数以上の8試合で複数安打を記録。打率、安打数、二塁打数(7本)、四球数(14個)、出塁率(・556)とリーグ打撃5部門でトップに君臨し、手が付けられない状態だ。なぜ、結果を出せるのか。今回は打つ前に焦点を当てたい。

 韓国のアイドルグループSHINeeが歌う登場曲「Boys Meet U」が響くと、近藤は小走りで打席の手前まで向かう。屈伸運動から始まり前屈、股割り、大腿の内旋と、やや長めの一連のルーティンをこなし、腰の回転を確認しながらゆっくりスイング。最後にピョンっとジャンプして打席に入れば、横浜高時代にトレーナーと編み出した“儀式”の完結だ。

 近藤は「(インパクト時に)体が伸びてしまうので、しっかりと下半身で地面をつかむためです。(大腿の内旋は)力を外側に逃がさないためです」とそれぞれの動きの意図を説明する。「緊張すると(構えで)体が浮いてしまいますし、そうなると下の力が上に伝わってこないと思うので」とメンタル面の効果も実感している。

 昨季は57試合の出場で打率・413をマーク。腰を痛めて異次元の記録への挑戦に一度終止符は打たれたが、6月に受けた脊椎の内視鏡手術(腰椎椎間板ヘルニア摘出術PED法)を経てシーズン末に復活した。

 下半身の安定感が増した今季、変化球への対応力が向上した。緒方野手総合コーチは「どんな球に対しても肩と腰と膝のラインが崩れず平行に回すことができる」と進化の要因を分析している。

 日本球界のシーズン歴代最高打率は、86年、ランディ・バース(阪神)の・389。マリナーズのイチローでさえ、オリックス時代の00年にマークした・387が最高だ。今シーズンは残り129試合。誰も足を踏み入れていない領域へ、新時代の安打製造機が“4割男”の名を球史に刻む。

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