巨人・山口俊“みそぎの1勝” 268日ぶり1軍登板で6回3失点
「中日3-10巨人」(3日、ナゴヤドーム)
柔和な笑みを浮かべ、引き揚げてくるナインを出迎えた。268日ぶりの1軍マウンドで6回3失点。昨年、FA移籍1年目を棒に振った巨人・山口俊が“みそぎの1勝”を挙げた。「勝てるように精いっぱい投げようと思った。勝ちがつくのが一番楽になる」。安どの表情で息をついた。
二回2死一、三塁、四回は無死一、二塁のピンチは切り抜けたが、4点リードの六回に試練が待っていた。1死満塁とされ、高橋に三塁打を浴びて1点差に迫られた。だが、相手に大きく傾いた流れの中で、平田、松井雅を「狙って」連続三振。自らの腕で勝利をたぐり寄せた。
因縁の地からの“再出発”となった。昨年7月18日。ナゴヤドームで先発予定だったが、暴力トラブルが発覚した。先発は高木勇に変わり、自身は帰京。長い謹慎期間に入った。期待を裏切った巨人での1年目。それでも高橋監督から開幕2カード目の初戦を託された。快投とはいかなかったが、結果で応えた。
この日は高橋監督の43歳の誕生日。力投で白星を贈った。指揮官は「もう少し長いイニングを投げてほしいところはありますけど、勝ったのでね」とねぎらった。V奪回へ欠かせないピースの1人。「これからも期待を裏切らないように」。恩返しの一歩を踏み出した。