今春センバツから導入 タイブレークで高校野球どう変わる?

 23日に開幕する第90回記念選抜高校野球大会から、延長戦で試合の早期決着を図るタイブレーク制が導入される。夏の甲子園と地方大会、春秋の都道府県大会など、ほぼ全ての公式戦で採用されることも決まっている。選手の健康管理の観点から導入された新ルール。高校野球はどのように変わるのか。

 高校野球が大きな節目を迎える。今春のセンバツから延長十五回引き分け再試合はなくなり、タイブレークで決着をつける。

 延長十二回終了後に同点の場合、同十三回以降は無死一、二塁、前の回からの継続打順でスタートする(昨年までの国体、明治神宮大会は延長十回無死一、二塁の選択打順)。例えば延長十二回を9番打者で終えた場合、同十三回は二走が8番、一走が9番、打席に1番が立つ。

 新しいルールは、どのように作用するのか。4日に甲子園で行われた試合形式の練習会では、延長十二回終了後から延長十三回のプレーがかかるまで、平均1分30秒~2分だった。時間的には通常のイニング間とほぼ変わりないが、試合の流れはリセットされることになりそうだ。

 昨秋の国体でタイブレークを戦った盛岡大付・関口監督は「九回までの流れを遮断される。後半に追い付いた時は勢いがゼロになる。流れを持って来る攻撃パターンがないといけない」と振り返っている。人為的な形で決着をつけるため、「延長の名勝負がなくなる」という意見もある。

 一方で、報徳学園前監督で、高校日本代表・永田監督は「初めてのことなので楽しみは多いと思います。1イニングで点を取りにいくので、積極性や焦りも出てくるでしょう。今までとは違う面白さが出てくると思いますよ」と話す。

 一般的に、先攻のチームは延長十三回無死一、二塁で送りバントをするのがセオリーと考えられる。だが、永田監督は「バントを含めてあらゆる作戦が考えられる」と言う。

 「始まる打順や、相手投手の状態で打たせることもある。例えば相手が左投手なら重盗を仕掛けるチャンスもある。イケイケで進めるのではなく、必ず策が必要になります」

 タイブレークでは、監督のさい配が勝敗を左右するケースが増える可能性も指摘した。「得点を取れるかは、走者なしでは選手の力が8、9割を占めますが、無死一、二塁からだと、監督のさい配が5割ぐらいになると思います。状況判断をして、どういう策を取るのか。監督の腕の差が出てくると思いますよ」。打順、投手の左右など、さまざま状況を想定した練習をしておく必要性を説いた。

 日本高野連・竹中事務局長はこれまでにない展開を期待する。無死一、二塁から始める理由は、WBCなどの世界基準に合わせたためだが、「高校野球は特徴があるチームが多い。満塁からにしなかった理由は、攻撃に幅を持たせるため。特性を生かしてもらいたい」と球児の可能性に期待した。ルールは違えど、時代ごとに名勝負がある高校野球。タイブレークでも、新たなドラマが生まれるはずだ。

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