入団テストで中日に加わった松坂大輔投手（３７）が２８日、チームに合流した。キャンプ地の沖縄・北谷球場であった合同自主トレでは、初めて全体での練習メニューを消化。何度も笑顔を見せ、早くもチームに溶け込んでいた。合同自主トレとしては例年より多い約７０人のファンが詰め掛け、報道陣とともに動きを追い掛ける松坂中心の一日となった。

　前日深夜の便で沖縄入りした松坂に疲労の色はなかった。ウオーミングアップの始まる午前１０時より１時間以上前に球場入り。早出のウエートトレーニングで体を動かした。選手の大トリでグラウンドに姿を見せると、円陣の中心であいさつした。

　「全然、怖がらずにどんどん話し掛けてもらいたい。こっちはＯＫです」。すかさずイジったのは大野雄だった。「ダイスケ！！」。周りの選手たちから笑いが起きた。大野雄は「しんみりやるよりは、溶け込んでほしいと思ってやってみました」と振り返った。

　キャンプ地の盛り上がりも昨年と違った。北谷町には松坂の沖縄入りや練習開始などを尋ねる問い合わせが殺到したという。中日ドラゴンズ北谷協力会事務局の松田尊局次長は「例年の２、３倍の問い合わせがありました。お客さんの数も昨年の自主トレに比べると少し多い。明日（２９日）からもっと盛り上がるでしょうね」と松坂効果に目を丸くした。

　ベテランや外国人を除く１軍主力選手ともほぼ交流した松坂。「あいさつをして、みんなとウオーミングアップをして、練習して。ドラゴンズというチームに入ったんだな、という実感は湧きましたね」。竜の一員を自覚しつつある。

　ブルペン入りは未定で、ペースダウンして調整する可能性も示唆した。「投げられる状態ではありますけど、首脳陣から『飛ばしすぎるな』と言われているので、少しペースを落としてやってもいいのかな」。竜で最注目のスーパースター右腕はじっくりと体を動かしていく。