広陵・中村4発!聖地3戦連発 清原の大会記録「抜く」

 「全国高校野球選手権・3回戦、広陵6-4聖光学院」(19日、甲子園球場)

 3回戦残り4試合が行われ、広陵(広島)は今秋ドラフト上位候補・中村奨成捕手(3年)の今大会4本目となる決勝2ランで聖光学院(福島)に勝利した。1大会4本塁打以上は、6人目。清原和博(PL学園)が記録した大会最多5本塁打の快挙も“射程”に捉えた。チームの8強進出は準優勝した2007年以来10年ぶり。20日の準々決勝では仙台育英(宮城)と対戦する。

 一瞬の静寂が、打球の凄まじさを物語っていた。弾丸ライナーで運んだ聖地3試合連発の決勝2ラン。打球は一度も失速することなく左翼席中段に突き刺さった。勝負強さと破格のパワーを見せつけた中村。一振りで勝負を決めた。

 「勝ちたいという気持ちだけでした。最高に気持ち良かったです。感触は完璧でした」

 同点の九回無死一塁。歓声と拍手が湧き起こる中、打席に向かった。追い込まれてからの3球目、高めの速球をフルスイング。圧巻の高校通算42号を放ち、広島大会準決勝から続く5戦連続のアーチとした。

 捕手での1大会4発は大会初。清原和博(PL学園)が85年に記録した1大会最多記録の5本塁打へあと1本に迫った。「抜くぐらいの気持ちでやりたいと思います。記録にも記憶にも残るようにしたい」と歴史の更新へ意欲を示した。

 同点打も中村のバットから生まれた。2点を追う六回2死満塁。詰まりながらも中前へ。その間に2人の走者が生還。一気に試合を振り出しに戻した。

 守備でも魅せた。「(打球が)止まっていたのでいくしかない」。八回無死一塁、相手のバントのゴロを捕球すると、迷わず二塁へ送球。併殺に仕留めて隙を与えなかった。

 小学1年から野球を始め、3年の時に外野手から捕手に転向。「9人で1人だけ違う方向を向いているのが面白い」。人と違っていることに興味を持ち志願した。

 プロ野球選手を目指した小学生の頃から体作りにも取り組んだ。自分で調べて体には鶏肉がいいと知り、母・啓子さん(44)に鶏肉料理を注文。「たくさん食べる子で、よく鶏肉のカツなど作りました」と母の協力で181センチ、78キロまで成長した。

 頼もしい男は初の聖地で13打数10安打10打点と大活躍。07年以来、10年ぶりの8強進出に大きく貢献した。「地に足をつけて。目標の日本一はまだまだ先なんですけど、本当に1戦1戦しっかり戦っていきたい」と中村。悲願の夏Vへ着実に前へ進んでいる。

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