済美・八塚、意地の快投!7回0封 愛媛勢10年ぶり「夏2勝」

 「全国高校野球選手権・2回戦、済美7-1津田学園」(14日、甲子園球場)

 済美(愛媛)が津田学園(三重)に快勝し、3回戦に進んだ。主将のエース右腕・八塚凌二投手(3年)が7回1安打無失点、8奪三振の快投を披露した。愛媛勢としては、今治西が8強入りした2007年以来、10年ぶりの「夏2勝」。済美は3回戦で盛岡大付と松商学園の勝者と対戦する。

 エースが意地の快投だ。主将と4番を兼任する済美の大黒柱・八塚が先発で7回1安打無失点。140キロ前後の直球と鋭い変化球をコーナーに投げ分け、8三振を奪った。

 「チームに勢いをつける投球ができた。前回がふがいないピッチングだったので、良かったです」

 大会第1日の1回戦・東筑戦は6回4失点で降板。甲子園独特の緊張感にのまれ、本来の力を発揮できなかった。

 悔しさを晴らすため、初戦後の5日間は休養を取らず、「体にキレを出すため」に走り込みや投げ込みを続けた。宿舎では「ご飯を食べているときもビデオを見ていた」と、津田学園打線を徹底分析。「体を開いて構える打者が多かった。外のスライダーが有効になると思った」。7点差がついた八回に2番手・栗田にマウンドを譲るまで、巧みな投球で相手を圧倒した。

 中学2年時に右肘を手術。済美入学後は内野手に専念していたが、中矢太監督(43)から「最後の夏は投手で行くぞ」と告げられ、今年5月に投手に転向した。この日さえ渡ったスライダーも6月に習得したばかりだ。

 愛媛勢として10年ぶりの「夏2勝」。強力打線にも助けられ、憧れのマウンドでもう弱気になることはない。「緊張が楽しみに変わりました」。エースの表情に自信がよみがえった。

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