藤枝明誠の女子マネ“みなみちゃん”初戦で聖地去る 選手の胃袋と精神をケア

 「全国高校野球選手権・1回戦、津田学園7-6藤枝明誠」(8日、甲子園球場)

 初出場同士、東海勢対決は延長十一回で津田学園(三重)がサヨナラ勝ち。初戦敗退となった藤枝明誠(静岡)の八木晴香マネジャー(2年)は憧れの聖地に感謝した。

 記録員としてベンチ入りした八木さんは、小学校3年から中学2年まで白球を追いかけた。「3番・一塁」で試合に出場するレギュラー選手だった。一時期、野球を辞めたが「兄の姿を見て、また野球がしたくなった」。

 7歳上の兄の大輔さんは静清(静岡)で甲子園に出場。「(自身は)プレーヤーとしてはもうできない。強いところで甲子園を目指そう」と当時、兄の恩師でもあった光岡孝監督を慕って藤枝明誠に進学した。

 唯一の女子マネジャーは部員67人の食事も担当する。毎日80合の白米を自身の二の腕がつかるくらいまでの大きい釜に入れ、全身をつかって研いでいる。炊きあがった米は、おにぎりにして部員に提供する。

 部員の胃袋だけではなく精神も鍛えている。選手に一喝することもあるといい「一応男なのでシャキッとしてほしい。『しっかりしろ!』とか、一言でズバッとバシッと言う」と小柄な体に日焼けした顔をくしゃっとさせながらたくましい内面を見せた。

 漫画・タッチの主人公・上杉達也が所属した「明青学園野球部」のデザインにそっくりのユニホームで、ヒロインの朝倉南と比較されることについて「頑張ってるのは選手なので…」と謙遜。それでもその話題がきっかけでチームが有名になったことは「うれしい」と前向きに捉えた。

 初出場の初戦は初回に1点先制したが、四回に逆転を許し、3点を追う五回の攻撃で同点に追いつくと、またもその裏に2点勝ち越された。それでも諦めず食らいつき、六回表でまた試合を振り出しに戻した。延長戦にもつれこんだが、涙をのんだ。

 八木さんにとっても憧れだった特別な場所。「昔は甲子園を目指してた。誰もが目指す場所。違う形で立てたのはうれしく思う。感動が大きかったです」と初戦で聖地を去った。

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