ロッテ今季10度目の完封負け 石川で落とし、伊東監督「打てなかったなあ」
「オリックス4-0ロッテ」(京セラドーム大阪)
九回2死一、二塁。打席にはロッテの代打ペーニャが立った。
7月2日の日本ハム戦でヒットを放って以来、10打数無安打。不振に陥り、8日からベンチを温めていた。
それでもこのシーンは1発が「ノドから手」だ。
しかし…期待の歓声は落胆のため息に変わる。平野のフォークに空振り三振だ。
今季10度目の完封負けだ。
伊東監督はこう言って嘆いた。
「打てなかったなあ…。前半に1点でも取っていれば、展開が変わっていた」
オリックスの先発は6勝をマークしているディクソンだ。
一回に先頭・サントスの安打を足場に一死三塁。先制のチャンスをつかんだ。しかし鈴木、パラデスが連続三振に倒れた。
四回は加藤の右二塁打から一死一、三塁としたが、後続を断ち切られた。
ディクソンは速球が走り、変化球も切れて要所を締める投球を披露。特にボールになるナックルにロッテの打撃陣は幻惑された。
五回の一死一塁を逃し、六回の一死一、二塁では井口が遊ゴロ併殺打に倒れた。
7個の0を並べた。26打者で奪った安打は「5」ながら、「9」個の三振を喫した。
ディクソンには4月11日にも8回で1点しか奪えず、ゲームの方は1-11の大差負けをしている。
久しぶりの対戦で対策が十分でなかったのは確かなようだ。
あとはオリックスの黒木、平野の必勝継投の前に2個の0を追加するだけだった。
指揮官、なによりも石川で勝てなかったことが悔しい。
1勝7敗。確かに黒星は大きく先行しているが、ここ2試合は力強いボールを投げる石川が戻ってきた。
「あの回だけだった。もったいなかった」と三回を振り返った。
先頭のマレーロが中前打で出塁し二盗にも成功。続く駿太は送りバントを失敗して、三塁を狙ったマレーロは憤死した。
だが、若月が0-2からしぶとく右にはじき返した。ここが勝負の岐路となった。二死後に大城の内野安打で満塁となる。
このピンチで、吉田正に2-1からの150キロストレートを中前に運ばれた。2点適時打となった。
それでもこのカードを2勝1敗と勝ち越した。
伊東監督は、「石川で勝てばチームは乗っていけるのだが…」と話しつつ、「(球宴まで)あと3つ。最低でも2つ勝ちたい。また、明日から」と未練を捨てて、気持ちを切り替えた。