DeNA・南場智子オーナー 直撃インタビュー 強くて愛されるチームに

 DeNA・南場智子オーナー(55)=DeNA本社代表取締役会長=が、デイリースポーツの直撃インタビューに応じた。球界参入から今年で6年目。親会社の創業者でもある球団トップが、観客動員数増加の背景、アレックス・ラミレス監督(42)に対する期待感などを語った。

 ◇   ◇

 -昨年、球団史上初めてCSに進出した。

 「恩返しの一歩を踏み出せたかなという感じがします。ちゃんとした成果を出せていなかった。支えてくださった皆さん、辛抱してくださったファンの皆さん。(球界参入後の)5年間、関わってきた全ての人々に対して、感謝の気持ちは非常に強く感じました」

 -球界に参入して良かったと思うこと。

 「今までインターネットの事業で、サービスを楽しんでくださっている方々の顔が見えない。インターネット越しなんです。球団経営はファンの方々が、わあっと喜んでくださっているのを目の当たりにできる。それが何にも代えがたいです。喜びを提供することの喜びを感じることができる。事業の展開の中で横浜が基軸になってきています」

 -オーナー就任時に掲げた観客増などによる黒字経営について。

 「友好的TOB(株式公開買い付け)をスタジアムの運営会社に対してやることができ、成功したことが一番大きかった。監督と選手のファンサービスやプレーで稼働率は極限まで高まってます。席を増やす以外はもうない。どう変えていくのかということを(球団と球場で)一体的に経営できる」

 -横浜スタジアムの今後は。2020年東京五輪の野球・ソフトボールのメイン会場。

 「『スポーツタウン構想』と呼んでいますが、スタジアムの周りのスペースに回遊性を持たせて、一つの街として盛り上げていく。(五輪では)世界に『いいスタジアムだね』って言っていただけるような場所にしたい。部屋からの観戦の場所を増やさせていただいたり。例えばシャンパンも飲めるとか。そんなすてきな空間にしたい」

 -昨年は観客動員数が主催72試合で約194万人と球団史上最多を記録した。

 「まずは(前監督の)中畑さんが発信を続けてくださった。ファンサービスにすごく熱心で、弱い時にも話題を振りまいた。前のオーナーの春田が中畑さんに『勝っても負けても必ず発信してください』とお願いしている。それがDeNAの伝統となり、ラミレス監督が全く同じように引き継いだ。ファンに対する感謝を行動で表そうと監督と選手、みんなが徹底している。そこに対して球団の施策が相まった」

 (続けて)

 「『私も野球のことは口出ししません』と。だけど『ファンに対する感謝を忘れた行為には寛容にはなれませんよ』と選手にも言っています」

 -経営面で理想の球団は。

 「どこもみんな参考にできるところはあるんですが、広島カープは地元に密着し、街を挙げてのファン。(広島の)松田オーナーが、おおらかに数値とか教えてくださる。例えばグッズの販売もすごい実績を上げていて企画、売り方、スペースの取り方、回遊性の話とか。学ぶところはいっぱいありますね」

 -松田オーナーから学んだことは。

 「常に姿勢として『ずっといい時が続くと思うな』ということを前提に経営を堅実にされている。野球を通じて届ける喜びを対価としていただいて、しっかりと黒字になる形を築いてらっしゃる」

 -今季の球団に期待することは。

 「優勝を願う。まだ4月、5月は思い切り実力を発揮できていない。野球は夏場。8月は楽しみですよ」

 -ラミレス監督に期待する点は。

 「非常に頭を使って数字の分析もよくやって、自分の独自の考えでチームを運営しています。結果がいい時はそれが良かったと言われるし、悪ければそれが悪かったと言われる。全力でやった結果、もっと厳しい批判をされても、自分の試そうと思ったことを自信を持ってグラグラせずにやってほしいですし、やっていると思います。冷静で頼りになる指揮官。私も信じてシーズンを任せています」

 -未来の球団の理想像は。強いチームか、愛されるチームか。

 「両方です。弱いんだけど愛されるのは甘えであって、絶対に勝たなきゃっていう必死なプレーが心を打つ。『強くなくていいです』とは決して言わない。そして、ファンに愛されるチームであること。いろんな意味で横浜の発展に直接的、間接的に関わっているという位置付けでありたい」

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