育英、副主将女子マネの声援及ばず「甲子園に連れて行って」

 「高校野球春季兵庫大会・準決勝、報徳学園8-4育英」(5日、明石トーカロ球場)

 育英がセンバツ4強・報徳学園に敗れて決勝進出を逃した。敗戦時に三塁側スタンドでは、男子部員と同様に悔しがる女子部員がいた。副主将も兼務する御縞杏架音(みしま・あかね)マネジャー(3年)だ。

 加古川市立中部中学校では、陸上部だった御縞副主将。4歳年上の兄・勇人さん(現・亜大)が育英でプレーしていたこともあり、高校野球に興味を持った。2015年から育英が共学になることを知ると、甲子園出場を狙える育英へ進学を希望。私学の強豪では女子マネジャーを募集していない高校もあるため、兄を通して育英が女子マネを募集するか確認して受験した。

 入学後はマネジャーとして活動してきたが、昨年の新チーム結成時、安田聖寛監督から主将よりも先に副主将に指名された。「彼女は統率力、決断力がある。社会に出ても通用する人間だし、負けん気も強いので」と安田監督。マネジャーとしての仕事をメインに、3人の副主将とともにチームを支えてきた。

 珍しい役割を任され、最初は戸惑いもあった。「指名された時はびっくりでした。自分が!?って感じで。最初は選手との距離も近くなくて…。監督からはベンチでも声を出せ、と言われていたけど出せませんでした」と苦笑いで振り返る。

 それでも自分なりに“女子副主将”として努力を重ねてきた。グラウンドではノックボールの手渡しなど練習をサポート。部室を片付けていなければ選手を注意し、今ではベンチで大声を出せるようになった。後輩部員は「御縞さんは言うべきことはちゃんと言ってくれる」と言う。

 念願だった甲子園に立つチャンスも出てきた。今センバツから条件付きで女子部員の甲子園練習参加が認められた。御縞副主将は、今春センバツで不来方(岩手)の女子マネジャーが甲子園のグラウンドで練習補助をするニュースを見ており、「何でダメなんだろうとは思っていたのでありがたいです。私もグラウンドに立ちたいです」と声を弾ませる。

 今夏は憧れの舞台に立つ最後のチャンスとなる。「夏は甲子園に連れて行って」。報徳学園に敗戦後、うなだれる選手を見つめ、アニメ「タッチ」のヒロイン・浅倉南のような言葉を残した御縞副主将。最後の夏、願いは叶うか-。

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