巨人・阿部、カード勝ち越し導く先制適時打 リーグトップ19打点
「中日0-2巨人」(16日、ナゴヤドーム)
ベテランの一振りが、左翼席のG党に熱気をもたらした。巨人・阿部が決勝打となる先制適時打を放ち、チームを2連勝で3カードぶりの勝ち越しに導いた。打線は相手先発・吉見に手こずったが「インサイドにうまく対応できました」と納得の表情を浮かべた。
0-0で迎えた七回。先頭の坂本勇が二塁打で、無死二塁と作った好機を生かした。フルカウントから吉見の6球目。内角142キロ直球を右翼線へはじき返した。「あの辺(内角)をずっと待ってた。我慢できたのが良かった」。貴重な先制適時打に、一塁に到達した瞬間、手をたたき笑みを浮かべた。
4番として、開幕からその役割を十分に担う。19打点はリーグトップ、得点圏打率・450はリーグ4位だ。昨年は1月のオフからピロリ菌感染でつまずいたが、今オフは「体調管理のため」と栄養素が豊富な酵素ドリンクを導入。日々の生活も、好スタートへの効果をもたらしている。
チームは貯金2で、2位の阪神とは0・5ゲーム差。重要な局面で一打を放った阿部に、高橋監督は「ああいうところできちんと打ち返す技術が、さすだなと思います」と賛辞を送った。大黒柱の勢いはとどまることなく、進んでいく。