第８９回選抜高校野球（１９日開幕）の甲子園練習が１４日、同球場でスタートし、２１世紀枠の不来方（岩手）に続き、多治見（岐阜）、中村（高知）の女子マネジャーがグラウンドでの練習補助にあたった。今大会から規定が変更され、初めて女子部員の練習補助が実現した。

　ジャージーにヘルメット姿で外野ノック補助を行った多治見の西之原夏実さん（３年）は「みんながいつもより楽しそうに練習しているのを見て、私もうれしかった。大人になってもずっと残っている時間だと思う。私にとっても夢の場所」と、声を弾ませた。

　学校での練習でもノックの補助を行っているといい「ボールの動きはちゃんと見るように心がけている」と話した。

　中村は女子マネジャー４人がグラウンドへ。外野ノック補助は山下美咲さん（３年）が行った。「甲子園はすごく大きかった。憧れの場所なので緊張した」と振り返った。４人のうち３年生は３人で、甲子園練習のノック補助、開会式の入場行進プラカード係、試合のベンチ記録員を分担するという。

　埜々下陽菜さん（２年）は「私たちがグラウンドに立てたのは、（前年の）大分のマネジャーさんの件があったおかげだと思う」と話した。

　女子マネジャーの甲子園練習参加については、昨夏の甲子園練習で大分の女子マネジャーがノックの補助をし、大会関係者に制止された。これに批判が相次いだことで日本高野連は議論を重ね、昨年１１月２５日の理事会で、大会前の甲子園練習で女子マネジャーの参加を条件付きで認めることを決定した。