侍・中田が決めた!3戦連発&V撃「ここからもっともっとジャパン乗っていく」

 「WBC・2次リーグE組、オランダ6-8日本」(12日、東京ドーム)

 第4回WBCは12日、2次リーグE組の2試合が東京ドームで行われ、日本が延長戦の末にオランダを8-6で下した。三回に中田翔内野手(27)=日本ハム=がWBC日本代表では初の3戦連発となる左越え3ラン。タイブレークに突入した延長十一回、1死二、三塁でも中田が左前へ2点適時打を放ち、死闘に決着をつけた。イスラエルは4-1でキューバに逆転勝ちした。

 一塁ベース上で両手を叩くと、左拳をベンチに向けた。飛び出して喜びを表現するナイン。スモールベースボールが結集した一打だ。決めたのは中田。WBC日本代表初の3戦連発に決勝の2点適時打。5番打者が5打点の活躍で、難敵オランダに競り勝った。

 「誠也が打席に入る前に『バントするんで、あとは頼みます』と。一段と気合が入った。誠也のためにも、意地でも打ってやろうと思ったのでよかった」

 ハイライトはタイブレークに入った延長十一回だ。無死一、二塁から鈴木の犠打で二、三塁。中田が打席に入った。敬遠は…ない。1ストライク後の2球目を狙った。内角への143キロのツーシーム。構わずフルスイングを貫いた。打球は詰まりながら左翼前で弾む。二走・青木も生還し2点を勝ち越した。

 二回には、先制の口火を切る左翼線二塁打。さらに三回だ。2死一、二塁。1-1から3球目を狙った。2球続いたスライダーを一閃(いっせん)。高々と舞った白球が静寂を生み、数秒後に驚きの大歓声を呼んだ。「ホームランだけ狙った」と、フルスイングした打球は大きな弧を描き、左翼席最前列に到達。難敵バンデンハークKOにつなげた。

 日の丸を背負う国際舞台。オフから食事制限と過酷なトレーニングで、108キロあった体重を98キロにして代表に合流した。ベストな体で臨んだはずだったが、1次リーグを戦い終えるとさらに4キロ減。「なんでかなあ」と首をかしげるが、体は重圧と戦っていた。左手首には痛みが残る。「イチかバチか」と腹をくくった大会出場。覚悟は吉と出ている。

 10日・中国戦の夜。11日が誕生日の菊池に、平田とサプライズを用意した。宿舎の部屋をあけるとテーブル上にケーキ。日頃から行動を共にする同級生に、「喜んでくれるかな」と感謝を形にした。1次リーグ初戦でネックレスが壊れると、菊池がおそろいの愛用品をプレゼント。この日、菊池は守備で貢献した。2人は相乗効果で好調を続けている。

 最年少で出場した前回大会。準決勝で涙をのんだ。雪辱の舞台までもう一歩。戦いはまだ続いていく。「本当にこうやって、みんなで粘り強く戦えた。ここからもっともっとジャパン、乗っていくと思います」。笑顔のヒーロが力強く誓った。さあ、世界一へ。中田のバットが止まらない。

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