巨人3年ぶりV奪回カギは“つなぎ役”「強力主軸+2番確立=4点打線」

 3年ぶりのV奪回を目指す巨人。オフの大型補強で投打ともに厚みを増した。攻撃面ではFAで日本ハムから陽岱鋼外野手(30)、13年の楽天日本一の立役者の1人であるケーシー・マギー内野手(34)を獲得。中核を担う打者がそろった分、強打復活のカギを握るのは彼らを生かす“つなぎ役”と見た。「新鮮力」では2年目の宇佐見真吾捕手(23)を紹介します。

 12日間に及ぶ宮崎キャンプを打ち上げた2年目の由伸巨人。最後の2日間は主力も出場した紅白戦で、選手たちの“現在地”を確かめた。12日の紅白戦を終え、宮崎での総括を求められた指揮官は、淡々とした口調ながら課題を鋭く指摘した。

 「若手全体に物足りなさを感じている。ちょっとしたミスや凡ミスがたくさん出た。それがレギュラー、主力との大きな差。少しずつその差を埋めて欲しい」

 課題の一つが初回の紅組の攻撃に出た。先頭の立岡が二塁打で出塁。続く重信はカウント1-1からの3球目でバントを空振り。二走・立岡は帰塁できず、捕手からの送球でタッチアウトとなった。2死後、坂本勇、阿部、マギー、岡本の4連打で2点を奪うのだが、重信が送っていれば、ビッグイニングを作れた可能性があった。

 巨人は今季「4点打線」を目指している。昨季の1試合平均3・63得点からの向上へ、陽岱鋼やマギーらを獲得。中核を成す戦力は間違いなく厚くなった。坂本勇が3番に座り、4、5番に阿部、マギー、村田のいずれかが入る。リーグ屈指の破壊力を持つクリーンアップが形成される分、それを生かす2番打者の出来で得点力は左右されそうだ。

 昨季は11人もの打者が2番を務めた。橋本到の35試合を筆頭に立岡27試合、重信19試合…。故障や決め手に欠き、最後まで固定されなかった。今季も立岡、重信、山本、吉川大…。出遅れたドラフト1位の吉川尚も候補に入ってくる。開幕2番を巡る競争は、最後の最後まで続くことになりそうだ。

 指揮官の言う「主力」を生かす2番。求められる役割を現役時代、そのしぶとい打撃で幾度となくチームに貢献してきた井端内野守備走塁コーチは「まずは打って走れること。あとはバントももちろんなんだけど、ファウルで粘るとか、そういった総合的な部分が必要になってくる」と話した。

 他球団スコアラーも同調する。「巨人打線は怖さはあるが、いやらしさがそれほどない。そういう打者が出てくれば本当の脅威になる」。昨季のファウル数トップ10のうち、セ覇者の広島から田中、菊池、丸、パ覇者の日本ハムから中島、中田、西川が名を連ねた。ファウルの数が全てではないが、両チームとも昨季は巨人が目指す「4点打線」を構築。“いやらしい打者”の存在が、その一因とも言える。

 まだ、キャンプは中盤。沖縄移動後も鍛錬の日々は続く。「まずは練習でうまくいって、それが試合でできて初めて自信につながる。それができるかどうか」と井端コーチ。中軸が強力だからこそ、そこにアクセントを加えられる2番打者を確立できれば、「4点打線」完成の可能性は、グッと高まりそうだ。

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