ＷＢＣ日本代表の巨人・菅野智之投手（２７）が２８日、宮崎市内でスタートした合同自主トレでブルペン入りした。世界一奪回へ、ＷＢＣ公認球で脅威の増したワンシームを披露。ＷＢＣ仕様で硬めに作られたマウンドで投げ「全体的にコントロールも良かった。（ワンシームは）思ったより変化があった」と好感触を口にした。

　直球のような球速で、何度も鋭い変化を見せた。この日は捕手・小林が立った状態で計３９球を投じ、ワンシームは７球。昨年３年ぶりに解禁した“魔球”だが、ＷＢＣ公認球はＮＰＢ球より縫い目が高い影響で変化が増した。

　菅野の背後でワンシームの軌道を見た内海は「ヤバッ！」と声を上げ、小林も「だいぶえぐってましたね」とうなった。だが、曲がり幅が大きいことに菅野は「右打者のインコースだと当たっちゃう」と自在に操るため、新球チェンジアップ同様に試行錯誤を重ねていく考えだ。

　ブルペンも現在１レーンを改造。ＷＢＣ本番に近い硬さとなった。マウンドの下にレンガに似たブロックを敷き、その上を薄く土で覆う形だ。実際に使用した感想を「プレートが出てて軸足がぶれる」と話したが、「思った通り投げられた」と手応えも示した。

　侍ジャパンでは日本ハム・大谷と並び先発の中心として期待される右腕。世界の頂に立つべく、エースが宮崎で順調なスタートを切った。