ヤクルト・バレンティンに生じた変化 一発狙いは「自分が満足するだけ」

 ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(32)が生まれ変わった。2013年に日本記録の60本塁打を放つなど、一発のイメージが強い助っ人だが、今季は様子が違う。本塁打を狙わずに、右打ちなどチーム打撃に徹する姿が目立っている。その心境の変化を探ってみた。

 バレンティンが変わった。ツバメ軍団の4番を張るかつての“60発男”。来日6年目で打撃や思考に、変化が生じてきた。

 「投手の心理としては、本塁打は打たれたくないから(簡単に)真ん中に投げてこない。コーナーに投げてくる。ボールを見極めて単打や四球を選びチャンスメークもする」

 象徴的だったのは28日の阪神戦。3安打はいずれも単打で二回に右前打、五回に左前適時打、七回に中前打と広角に打ち分けた。27日までの3試合で3本塁打と量産していたが大振りはしなかった。

 「大きいのを、と思って打とうとすると、自分が満足するだけになり、チームにとってプラスにならない。本塁打にこだわってないし、本塁打王にもこだわってないよ」

 首脳陣も助っ人の変化を証言する。「ボール球を振らなくなった。1、2、3(のタイミング)で打つことが減った」と杉村チーフ打撃コーチ。タイミングの取り方を工夫し、状況に応じた打撃も心がけている。練習でも「センター方向に打っている」という。数年前から相手投手の配球を研究してきたが、押尾戦略コーチは「『どうですか?』と聞いてくることが最近多くなった」と感心する。

 変貌を遂げた理由は過去の教訓にある。60本塁打をマークした13年はチームが最下位。リーグ制覇を達成した昨季は、故障の影響で15試合の出場に終わった。「チームの勝利のためにやっている」が口癖のバレンティン。フォア・ザ・チームへの思いが年々、強くなってきた。

 「まだチャンスはある。CSで勝ち残って日本シリーズに出場する選択肢もある」。3番・山田のあとを打つ4番打者の役割は重要。進化した“最強助っ人”が、Aクラス浮上の鍵を握っている。

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