光星学院エース桜井「全員が敵なんだなと思いました」

 「全国高校野球・2回戦、東邦10-9八戸学院光星」(14日、甲子園球場)

 “完全アウェー”の空気に支配された聖地で、右腕は徐々に冷静さを失っていった。4点リードの九回。球場全体を覆い尽くした東邦(愛知)への大声援。八戸学院光星(青森)のエース桜井一樹投手(3年)は、包囲網に迫られるかのごとく、一気にのみ込まれた。

 スタンドのどこを見渡しても、東邦ナインを鼓舞するタオルが振り回されていた。平静を装いながらも、マウンドの18歳は息をのんだ。「全員が敵なんだなと思いました。力んでしまった」。高めに浮いたところを次々に痛打され、悪夢のような結末を迎えた。最後は左翼手・小淵へのベンチからの懸命な指示も耳をつんざく大歓声にかき消されて届かず、打球は皮肉にも左中間で弾んだ。

 仲井宗基監督(46)は唇をかんだ。「先頭を出してから、嫌な雰囲気になったと思った。あの展開で勝たせてあげられなくて、力のなさを痛感している」。これが聖地に住む“魔物”の恐ろしさか。甲子園で3度の準Vに導いた名将も、まさかの幕切れに、その目は真っ赤に充血していた。

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